野菜作りも人作りも同じ 上手に「ほったらかす」

三井住友海上火災保険 高松支店長 松永 司さん

Interview

2011.07.21

家庭菜園で学んだこと

「支店長としての私の一番の仕事は、次世代の会社を担う人財を育てることだと思っています」。こう語るのは今年4月、三井住友海上火災保険の高松支店長に就任した松永司さん。転勤はこれまでに何度もあったが、ちょうどお子さんの進学の時期に重なったことなどで、単身赴任の経験はない。いつも家族一緒に暮らしてきた。そんな松永さんの楽しみは、自分で育てた野菜を自分で料理し、家族みんなで一緒に味わうこと。自分の包丁とまな板も持っているそうだ。「味は保証できないですけどね」と笑顔で話す松永さんの趣味は奥さんといっしょにやる家庭菜園。神奈川の自宅にいたときは約25坪の畑を借りて、タマネギ、ジャガイモ、キャベツにネギ・・・1年を通して様々な野菜を育てていた。その野菜作りで学んだことがある。

「良かれと思って肥料を与えすぎると、葉っぱばかり育って実がつかないんです。水もそう。やりすぎると、自ら吸わずに口を開けて待つようになる。根を張ろうとしないんです。でも適度な量をやると、種を保存しようと一生懸命に根を広げて養分や水を探す。そうすると立派な実ができるんです」。そしてこう加える。「これは人を育てるのも同じですよね。手取り足取り全部教えていると、自分から仕事をしなくなる。学ばなくなる。適量、タイミング・・・難しいですが、人財育成で大切なのは『上手にほったらかすこと』だと思いますね」

GKは楽しい!

三井住友海上といえば、売出し中なのが「GKシリーズ」。『わたしのゴールキーパー』の人気CMが思い浮かぶ。「会社は僕のことを見ていたんじゃないかなぁ」と冗談まじりに笑う松永さん。小学校時代からずっとサッカーボールを追いかけてきた。ポジションはGK。ゴールキーパーだ。「当時はみんな嫌がって誰もやらなかったから、仕方なくやったんです」とは言うものの、松永さんの話を聞いていると、いかにキーパーが魅力的なポジションなのかがよく分かる。「守りのイメージが強いですが、攻撃の要でもあるんです。どこへ球を出していくか、どのようにゲームを作っていくか・・・キーパーはプレー全体を見渡す司令塔ですね」

こんなワンシーンがあった。高校時代、1・2年生が参加する新人戦神奈川県大会。松永さんは1年生ながらゴールキーパーとして出場した。強豪校を次々と倒し、ついに迎えた決勝戦。後半、ペナルティエリアの中で、相手センターフォワードが松永さんを背にボールを受けた。1対1の圧倒的に不利な状況だ。「振り向きざまにシュートを打ってくる。トラップの体勢からだと腰が回り切らない。コースは左だ」。そう読んだ松永さんは迷わず飛んだ。しかし—

「相手の方が一枚上手でしたね。トラップして一呼吸おいて、逆方向にゴールを決められました」。頂点には立てなかった。しかし、松永さんはこう話す。「やっぱりゴールキーパーって楽しいポジションですよ。サッカーの主役と言ってもいいんじゃないかな」

安全・安心のために

3月に起きた東日本大震災。改めて社会的使命を痛感した。「地震に限らず、災害の予防策を知っていただこうと、現在全国各地でセミナーなどを開いています。交通事故を防ぐために、どうすれば車の安全運転ができるのか。もし災害が起きた場合、どうすれば従業員の安否確認が速やかにできるのか・・・これからの保険会社は、ただ保険を売るだけじゃダメなんですよね」

安全・安心な暮らし・・・松永さんはこれからも体を張って、その大きなゴールを守っていく。

松永 司 | まつなが つかさ

略歴
1958年 5月 4日生まれ 神奈川県出身
1982年 3月 慶應義塾大学経済学部 卒業
1982年 4月 大正海上火災保険株式会社 入社
1996年 4月 群馬支店法人営業課長
2001年 4月 金融法人部営業第一課長
2001年 10月 三井住友海上火災保険株式会社
       金融法人部営業第六課長
2004年 4月 金融法人第二部営業第三課長
2008年 4月 三井住友海上きらめき生命保険株式会社
      東京営業部長
2011年 4月 三井住友海上火災保険株式会社 高松支店長

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