幼児期から親しんだ落語
大学時代には上方落語研究会会長として活躍したが、卒業時に「薬剤師で生きていくか、お笑いに行くのかと迷いましたが(笑)」、製薬会社に入社。50歳を過ぎたころ、「人生に何か忘れ物をしてきた気がして、昔の仲間と笑いをまたやろかと、NPO法人健康笑い塾を立ち上げたんです」。
「笑い」に必要なもの
笑いは昔から百楽の長、万病の薬といわれている。最近では免疫力を高め、ストレス解消にも役立つことがわかってきた。といっても、面白いな、楽しいなと感じられるベースがなければ、笑うことはできない。
「まず第一に大切なのは、幸せ感の熟成ですね」。鏡を前に、自分の笑顔を見てみる。ははは、ひひひ、ふふふ、へへへ、ほほほと声に出してみる。「そうすれば、自分の笑い顔=いい顔をイメージできますよね」。笑い顔(いい顔)をイメージすることで気分がよくなり、人と接するときの表情も想像できるようになる。「『私は幸せです』と言ってみてください。人はそう言うときが一番いい顔になるんですよ。そしてユーモアは自分自身が幸せでないと生まれません。幸せ感(ユーモア)が笑いのベースなんです」
もう一つ大切なのは感性。「たとえば四季を感じられる心。その季節ならではの旬を感じる五感を大切にすること。これを豊かにしていかないと、第六感も生まれませんよ」。一つの事象も、考え方次第でプラスにもマイナスにもなるのだ。
笑人材育成が大切
地域の商店街を始め、大学や会社などに招かれ、笑い(ユーモア)について講演する機会も増えている。「コミュニケーションに笑いは不可欠。『にこっ』とほほ笑めば生産性も増します。上司が笑顔(いい顔)なら部下は相談しやすい。コミュニケーションが図りやすいから、いろんなことが早く処理できる。これが、笑い(ユーモア)の経営的効果です」
笑い(ユーモア)を通じて人づくりにもたずさわっている中井さん。「これからの社会人は勉強だけができてもだめ。感性と教養のバランスが大切です。ユーモアの資質の高い人を、育成していく必要がありますね」
中井 宏次 | なかい こうじ
- 略歴
- 1952年 5月9日生まれ
1975年 3月 大阪薬科大学卒業
1975年 4月 吉富製薬株式会社
(現:田辺三菱製薬株式会社)入社
秘書室長、人材交流センター長、
学術研修部長、四国支店長を歴任。
1985年 4月 安田火災海上保険入社(現 損害保険ジャパン)
入社後内務・営業(自営店・企営店)を経験
2007年 同社退職
NPO法人健康笑い塾設立
大麻学園事務局長に就任
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