人生の選択にかかわれることが、仕事のやりがい

パソナ・高松 支店長 土信田慶さん

Interview

2020.03.19

パソナに入社して数カ月たったころ、父親が他界した。葬儀の当日は気づかなかったが、支店でともに働く社員全員が参列してくれていたことを後で知った。「自分はまだ入って間もない契約社員なのに…。社員を大事にしてくれる会社なんだと感動しました。この会社で頑張ろうと決意した出来事でした」

人材サービスの事業は一般的に、自社に登録している労働者の中から顧客となる企業が求める人材を派遣する「派遣」と、企業に適切な人材を紹介する「紹介」、企業から経理などの業務を請け負う「アウトソーシング」といった業務がある。パソナ・高松は、派遣ニーズの高い事務系の人材に強いのが特徴だ。

入社後は、出身地である山口県の支店で営業として勤務した。企業をまわり派遣のニーズがないか、どういう人材を求めているかを聞き取る。一方で登録者にもじっくり話を聞き両者をマッチングさせる。その過程で、たとえ企業にとって耳が痛い話でも伝えるよう心掛けていた。

登録者に対するキャリア支援も、重要な仕事の一つだ。「相談に来られる方の多くが、自分はどういう働き方、生き方をしていくのか悩んでいます」。本当は正社員を希望しているが求人が少ない、派遣は同じ部署に3年までというルールの中でどうスキルアップすればいいのか。それに対して、経験やキャリアを振り返りながら、目指すべき道を考えられるようアドバイスしていく。
 「仕事って人生の多くの時間を占めるもので、私たちは人生の大切な選択に関わることができる。責任は重大ですが、仕事が決まってよかったといわれた時は、やりがいを感じます」

派遣先で自分のやりたい仕事を見つけ、正社員として採用されたという話を聞くと、本当に嬉しいという。

満濃池に行ってみたい

社会人になってからもライブ出演

社会人になってからもライブ出演

長く勤務した山口から香川に赴任してようやく1年。最初は、地域のことや取引先についてわからない中で、さまざまな案件をジャッジしなければならないところが難しかった。気分転換は音楽。大学時代にバンドのボーカルをしていたこともあり「今もよく聴きます。特定のアーティストというより、気に入った曲があればそればかり聴く感じです」

時間ができたら、テレビで紹介されていた日本最大のため池、満濃池に行ってみたいという。

会社への恩返し

山口支店のスタッフと

山口支店のスタッフと

自身のキャリアについては、いずれ山口に戻って自分で何か事業を立ち上げたいと考えている。その時に「人と人とをつなぎ、調整する仕事や、支店の責任者として事業計画を立て、スタッフをマネジメントするといった現在の経験が生かせるよう、しっかり勉強したいですね」

支店スタッフとは、お互い本音で話ができる環境づくりを心掛けている。自分ばかり一方的に、ではなく対等にコミュニケーションできるよう、いろんな視点から可能性を提案して理論的に話をするようにしている。「厳しい言葉で『やりなさい』と指示するだけで仕事をしてもらっても意味がない」。それは、スタッフ一人ひとりが考えられる人材になってほしいから。「自分がいなくなっても同じように支店が運営され、結果が出せるよう人を育てる。それが、会社に対する恩返しかなと思っています」

土信田 慶 | としだ けい

略歴
1975年 山口県生まれ
1994年 新南陽高校 卒業
1999年 熊本学園大学商学部経営学科 卒業
広告代理店、人材派遣会社を経て
2005年 株式会社パソナ 入社
2012年 パソナ・山口 支店長
2019年 パソナ・高松 支店長

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