変化するから未来がある

NTT西日本 香川支店 支店長 北口哲也さん

Interview

2019.09.05

支店長応接室にて

支店長応接室にて

1985年に民営化したNTTは、14年後の99年に持株会社としてのNTT、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズの4社に再編成された。その再編成を進める業務に携わった。それまでの事業を一つひとつ見直し、何をどの会社にどう引き継ぐか、規制緩和されるべき事項は何かといったことを決める。「エネルギーが必要な仕事でしたが、NTTグループの事業の全体像や公共性の高さ、グループ会社それぞれの今後の方針について勉強できたのは貴重な経験でした」

これからは「マルチキャリア」の時代

2019年ロンドンパラマラソンで銅メダルを獲得した NTT西日本 堀越信司選手と

2019年ロンドンパラマラソンで銅メダルを獲得した NTT西日本 堀越信司選手と

NTT西日本で配属された人材育成の部署では、会社の方向性を踏まえながらどういう人材が必要かを明確にし、育成プログラムをつくった。当時は、組織内で成果を上げている人の考え方や行動特性をモデル化して、それをほかの社員の行動に取り入れるという手法で育成を進めた。「いつまでも昔のやり方ではうまくいかない。社員の行動や仕事へのマインドを変えるのが育成プログラムの役割。上司がいつも言っていた『我、常に変化するに未来あり』という言葉は今でも肝に銘じています」

人材育成の業務に携わった経験は、2016年に配属されたビジネスプロデュース部門でも役に立ったという。新規サービスを生み出す部署だが、そのためには時代に合った新たな人材育成が必要だと感じた。そこで、成功しているベンチャー企業に社員が1年間留学する派遣制度を始めた。「今までにない新たな事業を始める場合、必ずしも社内にモデルとなる高業績者がいるとは限らない。それに今は、自社単独で新事業を立ち上げるのが難しい時代。外のパートナーといかに組むか。そのためにもベンチャー留学を通じた育成が必要だと思いました」

制度を進める中で「1年間社員がいなくなる部署は業務が滞る」という声もあった。しかし「これからは、社員の成長の機会を会社が積極的に提供するべき」だと説明した。副業・兼業解禁の現代は、自分が関わる業界だけではなく複数のキャリアを持ち、社外にも人脈をもつ“マルチキャリア”の時代。後輩たちには、さまざまなスキルをもつ人材として成長してほしいと考えている。「自分が会社にいる時だけうまくいけばいいという発想だと変化には対応できない。会社が成長し続けるためにも、いい人材を育て将来の種になる準備をしたい。やっぱり私はNTTが好きなんでしょうね」

地域のビタミンに

香川でうどん店めぐりを開始

香川でうどん店めぐりを開始

淡路島生まれで、瀬戸内の風景にはなじみがある。でも「赴任した時にマリンライナーから眺めた瀬戸の島々は、改めてきれいだと思いました。あと、このあいだ香川で食べたうどんが、子どものころ父と食べた思い出のうどんの味に似ていたり。瀬戸内や香川には愛着を感じます」

そんな香川に、自社の技術で貢献したいという。例えば、観光客向けの多言語化対応や企業の人手不足解消、eスポーツを活用した健康づくりのサービスなど。「街と企業と人がもっと元気になるためのビタミンのような存在を目指したいですね」

北口 哲也 | きたぐち てつや

略歴
1970年 兵庫県生まれ
1988年 兵庫県立洲本高校 卒業
1992年 関西大学商学部 卒業
    日本電信電話株式会社 入社
2005年 西日本電信電話株式会社 福岡支店企画部 企画担当課長
2011年 中国事業本部企画部長
2015年 アライアンス営業本部 ビジネスデザイン部 企画総務担当部長
2016年 ビジネスプロデュース部門長
2019年 香川支店支店長

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