町を愛すると、生まれてくる「何か」がある。
趣味と仕事がリンクする、町歩きの楽しみ

ヤマト運輸四国支社 執行役員支社長 川崎 良弘さん

Interview

2011.01.20

ヤマト運輸四国支社執行役員支社長川﨑良弘さんの1日は、早朝ウオーキングから始まる。平日は5時半から、塩田跡や海岸線、第78番札所郷照寺の周辺など宇多津町内を4、50分かけて散策し、帰宅後に、妻・洋子さん手作りの魚の一夜干しとご飯、味噌汁の朝食を食べるというのが日課だ。

ウォーキング歴13年、今や生活の一部に

ウオーキングは、13年前、健康とダイエットのためにと始めた。と言っても、川﨑さんはもともとスポーツマン。バレーボールは中学時代から続け、社会人になってから始めた剣道では3段の腕前など、運動は継続して取り組んできたが、「スポーツでは指導する立場となり身体を動かすことが少なくなる、仕事では付き合いのお酒を飲む機会が増える……。少しずつ増えた体重が気になるようになったんです」。

ダイエット効果はすぐに表れて体重は減ったが、歩くことの楽しみを知りウオーキングは日々の習慣に。「今は妻と一緒に、平日は早朝ウオーキングを、休日には町歩きを楽しんでいます。丸亀城や五色台、屋島などに出かけては歩いてますね。東京にいたころも、皇居や銀座界隈などを、リュックを背負い歩いてました」

ゆっくりと歩くことで、見えてくるもの

「歩くことで、プラスになることはたくさんありますよ」と川﨑さん。まずは健康になること。もともと、季節を問わず朝は得意という川﨑さんは、冬の今でも寒さや暗さなどは気にならない。「歩いていると身体が少しずつ温まる。帰宅してシャワーを浴び、バランスの取れた朝食を食べ、仕事に来るころには調子は全開です。いらいらすることもなく仕事ができるので、業績はあがりますよ(笑)」

次に、小さな発見があること。「車などでは見落としてしまうようなものも、歩いているからこそ見えるんです」。街角の花、珍しい店、家並みなど……。「宇多津町の旧街道沿いには古い蔵作りの家が多いんですね。古さや美しさに驚きました」。四国支社に着任してから始めた週末の四国88カ所霊場巡りでも、寺巡りだけでなく周辺の町を歩くことを楽しみにしている。その土地ならではの名物や産業を知ったり、歴史に触れて空想を巡らしたりと、知的好奇心は大いに刺激されている。

そして、町をよく知ることで、その町がより身近になる。それは川﨑さんの仕事にも繋がってくることでもある。四国4県を管轄する川﨑さんは、四国各地にある120カ所の営業所に出かける。それに加えて、プライベートでは四国霊場巡りで各地を訪れる。「畑で栽培されている特産品を知ったり、産直市の品ぞろえなどを見たりする。そのときの情報は蓄積されて、それが『流通』の仕組み作りに繋がるのではと考えたりするんですよね」

都会のオフィスの机の上で考えるだけでは、地域の現状に合った流通のシステム作りはできないと川崎さんは考える。「四国にはまだまだ知られていない『いいもの』がたくさんあります。私たちに、そのいいものを発信して届けるお手伝いができるのではないかと思うんです。霊場巡りで宿泊したときも、朝食の時間まで散歩に出かけて町を見たくなる。いっときもじっとしていないと妻から言われるんですがね(笑)」

大切なことは、エリアを好きになること、町を愛することと川﨑さんは言う。趣味の町歩きは、いつしか仕事にも生きている。川﨑さんの町歩きはこれからも続きそうである。

川崎 良弘 | かわさき よしひろ

略歴
1954年 11月12日 鹿児島県生まれ
1981年 3月 専修大学法学部 卒業
      東京での公務員生活を経て
1992年 9月 九州ヤマト運輸株式会社入社
      人事部教育課配属
1993年 9月 同鹿児島主管支店高山営業所長
1995年 9月 同本社管理本部マネージャー
1998年 4月 同鹿児島主管支店姶良営業所長
1999年 2月 同鹿児島主管支店鹿児島ベース長
2000年 2月 同鹿児島主管支店長
2002年 4月 ヤマト運輸株式会社に九州ヤマト運
      輸株式会社が吸収合併されたため、
      ヤマト運輸株式会社に転籍し、ヤマト
      運輸株式会社鹿児島主管支店長
2006年 2月 同本社品質向上推進部長
2010年 4月 同執行役員四国支社長

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