ベンチャーで新しい 流通モデルを発信

株式会社家具家 代表取締役 山本 嘉德さん

Interview

2014.04.17

株式会社家具家の山本嘉德さん(35)は、26歳のときに起業。前職はマスコミ関係だった。広告を扱う機会も多く、インテリア業界の内情を知ることに。多くの在庫と、広い敷地を必要とする家具の販売業は、新規参入が難しい。だからこそやりがいを感じ、新たなモデルケースを発信することができると考えた。

店舗の名前は「家具屋」。「かぐや」というシンプルな社名と店名は、どんな会社なのか、何の店なのか、一目瞭然だ。創業以来、高松市新田町に店を構えていたが、今年4月に三条町へ移転。店舗の前に立つ大きな看板は、シンプルだが目を引く。「かりる つくる かう なおす うる」。受けられるサービスが明確だ。

「かう」といっても、ただ家具の購入ができるだけではない。家具屋が扱うインテリア用品は、店舗にある商品とカタログを含めて約7万点。販売員は全ての商品を把握している。顧客のニーズに応じた家具の紹介ができるほか、希望があれば無料でコーディネートも行う。

タブレット端末を使い、3Dソフトで部屋の広さや形を再現。家具の配置やカーペットの色など、端末上で自在に変えられる。具体的にイメージできるため、購入後、家具が部屋の雰囲気に合わない、大き過ぎるといった不満が生まれることもない。

「『買って満足』よりも『使って満足』を目指しています。お客様が本当に必要なもの、使って満足できるものを売りたい」。3Dプランニングは、年間400件以上の依頼があり、休日は待ち時間ができるほど人気だ。タブレット端末には、これまでの販売実績が6千件記録されており、コーディネート例の画像も見られる。

「うる」「かりる」も家具屋の特徴的なサービスだ。「うる」は不要になった家具の買い取りを指す。家具屋で購入し、2年以上経ったものが対象となる。買い替え時や引っ越しの際には助かるサービスだ。「若い人は、無理をして高級家具を買う必要はありません」と山本さん。家具屋のターゲットは18歳から40歳まで。「初めての一人暮らし、就職、結婚、家の購入など生活スタイルが変化する若いうちに、一生の家具は決められませんから」

その思いを形にしたのが、個人向けに家具をレンタルする「Eco Choice」。「かりる」サービスだ。最長8年までレンタルでき、気に入れば購入も可能だ。住む部屋や生活環境が変われば、使う家具も異なる。その時々に合わせて、家具屋では購入、レンタル、売却ができるのだ。「これから先、人口が減少することは分かっています。販売だけでは限界があるので、衣食住に一歩踏み込んだサービスを提供したい」
販売する家具の8~9割が日本製。ソファやテーブル、照明器具などさまざまなものが並ぶ。店舗の一角には、各地から集めたギフト用の雑貨を展示。福井県産の箸や、有田焼のカップ&ソーサー、山本さん自らイタリアやドイツで買い付けた雑貨などこだわりの品がずらり。「少人数、省スペース、大量生産を目指しています」。高松から全国展開を狙う。

売上には関係しないが、続けている活動がある。社員の母校である中学校に、家具やインテリアの雑誌を寄贈することだ。「学生時代に、インテリア業界について知る機会が少ないと思います。知ることで、将来の選択肢が増えれば。『夢は家具屋さん』と言ってもらえたらうれしい」

山本 嘉德 | やまもと よしのり

1979年 滋賀県長浜市生まれ
1997年 貞光工業高校 卒業
2005年 高松市新田町で家具屋創業
2014年 家具屋を高松市三条町へ移転
写真
山本 嘉德 | やまもと よしのり

株式会社家具家(インテリアモール家具屋高松店)

所在地
高松市三条町113-1
TEL
087-899-6771
事業の概要
家具の販売・製作・修理・レンタル・買い取り
資本金
800万円
社員数
15名
URL
http://kaguya.co.jp
確認日
2018.01.04

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