高松市瀬戸内町に位置する高松市中央卸売市場。ここでは、毎日早朝から多くの青果物(野菜・果物)や水産物が取り引きされています。これら生鮮食料品は一般の商品と違って、鮮度が低下しやすいため貯蔵しにくく、また、天候等により生産量が変動し、価格が一定ではありません。これら生鮮食料品の安定的な取り引きの場として整備されている施設が卸売市場です。
さて、卸売市場には3つの役割があります。一つ目は生産者のための施設で、毎日生産・水揚げされる生鮮食料品の販売の場としての役割。二つ目が生活者のための施設で、日常的に欠かすことのできない生鮮食料品を鮮度の良い状態で届けるという役割。そして最後が、市場内で営業をする事業者はもとより、産地と市場、市場と小売店等をつなぐ流通業者、また市場で仕入れた品物を店頭で販売する小売店のほか、加工品製造、給食や飲食店など、流通・小売業者に安定した取り引きの場を提供するという側面です。
卸売市場は規模や成り立ちによって中央卸売市場と地方卸売市場に分類され、全国に64の中央卸売市場が存在します(平成27年度末)。高松市中央卸売市場は青果物と水産物を扱う市場であり、日本では中規模の中央卸売市場です。年間を通じて青果物で約6万トン、水産物で約2万トン、1日平均では青果物で236トン、水産物で75トンの生鮮食料品が取り引きされています。数字だけではイメージがつかみにくいですが、例えるならば高松市中央卸売市場青果棟では約8000m²(サンメッセ香川の大展示場の2倍の広さ)の売場が早朝までに青果物いっぱいになり、朝6時30分からのセリにかけられた青果物は、お昼までに高松市内はもとより香川県内の隅々まで届けられていくのです。
高松市中央卸売市場は香川県の生鮮食料品の流通の拠点として、市民、県民の食生活のみならず、生産者、流通業者の経営の安定のために、365日、24時間休むことなく稼働しています。言うなれば、香川県の生鮮食品流通において、心臓のような役割を担っているのです。
市場見学にお越しください
«高松市市場業務課»TEL:087-862-3411
http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/kurashi/shinotorikumi/soshikihyo/shijo.html
野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸さん
- 写真
おすすめ記事
-
2017.05.18
中央卸売市場の働き ~卸売業者と仲卸業者~
野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸
-
2016.03.17
食文化を支える卸売市場流通
野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸
-
2015.04.16
エンドウマメに見る産地のリレー
野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸
-
2023.08.03
「讃岐の食文化」の素朴な疑問⑰
野菜ソムリエ上級プロ 末原 俊幸
-
2023.07.06
「讃岐の食文化」の素朴な疑問⑯
野菜ソムリエ上級プロ 末原 俊幸
-
2023.06.01
「讃岐の食文化」の素朴な疑問⑮
野菜ソムリエ上級プロ 末原 俊幸
-
2023.05.04
「讃岐の食文化」の素朴な疑問⑭
野菜ソムリエ上級プロ 末原 俊幸
-
2023.04.06
「讃岐の食文化」の素朴な疑問⑬
野菜ソムリエ上級プロ 末原 俊幸
-
2023.03.02
「讃岐の食文化」の素朴な疑問⑫
野菜ソムリエ上級プロ 末原 俊幸
-
2023.02.02
「讃岐の食文化」の素朴な疑問⑪
野菜ソムリエ上級プロ 末原 俊幸
-
2023.01.05
「讃岐の食文化」の素朴な疑問⑩
野菜ソムリエ上級プロ 末原 俊幸