太極拳の習得。それはわたしにとって、終わりのない始まり。

四国財務局長 利田 秀男さん

Interview

2009.03.05

20代はスキーに打ち込んでいましたが、その後全く運動をしなくなりました。

趣味との出会い

10年ほど前に健康と退職後のことを考え、自宅近くのスポーツジムができたことを機に入会し、運動を再開。エアロビクス、水泳、筋トレ、気功、ヨーガ、太極拳など経験しました。21世紀、50歳を機に長く続けられるものをと考え、陰陽理論など、何やら奥が深そうな太極拳をやってみようと思い立ちました。2001年1月、インターネットで教室を探し、本部が故郷千葉県館山市「不老山 能忍寺」にある太極道交会を見つけ、今の老師(先生)を得たのが始まりです。

太極拳、その魅力

太極拳は、健康法・養生法、護身術や競技スポーツとして習う方が多いのですが、中国で生まれたれっきとした武術です。技を隠している動きで、太極拳の動きを理解しないでやると、単なる踊りになってしまいます。一般的には「簡化二十四式太極拳」が広く練習されています。私も最初はこれを習いましたが、今の師を得て伝統の「陳式太極拳」を学んでいます。前者は華麗で表演・検定向き、後者は武骨で自己修練・研鑽向きといった違いを感じます。

師は求道のお坊さんで、太極拳の指導のほか、合宿では玄米に一汁二菜の食事と坐禅をし、講話(陰陽理論、無極・太極から宇宙の成り立ちまで)をお聞きします。師からは「黙って10 年修業しなさい。そうすれば芽が出るかもしれない」と言われますが、まだその気配や兆候は感じません。もっとも師の言う10年は、毎日8時間の練習が前提。一生かかっても芽は出ないかもしれませんが、続けることに意味があると思っています。修練をすればするほど奥深く、限りの無い世界が広がっていくのが魅力ですね。

太極拳を通じた人との出会い

どうしても職場人間になる我々は、仕事以外の方々との接触が極めて少なくなります。特に公務員はそうなりますね。地方勤務では多少の交流は増えますが、やはり肩書きを背負ったものになります。しかし趣味の世界は全く異なり、様々な老若男女との交流が広がります。
このところは地方勤務が続き、行く先々で地元の陳式太極拳の仲間との交流ができるのはありがたいですね。もっとも高松では陳式太極拳の指導者も学んでいる人も少ないようで、まだ交流ができていないのが残念ですが。

師は良く「随縁」「任運運気」ということを言われます。「縁に随う」「気に運ばれ、運ばれるに任せる」ということです。最近は異動が重なり地方勤務も4カ所目となりますが、色々なところに運ばれ、縁ができます。どうも師の言葉の通りになっているようです。

太極拳の極意を一つ

極意の一つは、放松(ファンソン)にあるといわれます。簡単に言えば力を抜くこと、リラックスです。身体各部の筋肉、関節を緩めた状態にし、しかも気が通って凜とした張りのある状態とも例えられますが、これが大変に難しい。力みをなくそうとして力を抜くと、気が抜けて腑抜けの状態に。熟練者でもこれが難しいと言います。習得できれば太極拳もかなり上達したといえますね。これは日常生活にも通じるものです。自然体で日々生活でき、いかなる変化にも順応できればと思っていますが、なかなか難しいですね。

利田 秀男 | かがた ひでお

略歴
1950年9月17日 千葉県生まれ
1969年 4月 大蔵省入省
2004年 7月 理財局国庫課
      通貨企画調整室長
2005年 7月 福岡財務支局財務主幹
2006年 7月 中国財務局総務部長
2007年 7月 理財局管理課長
2008年 7月 四国財務局長
写真
利田 秀男 | かがた ひでお

記事一覧

おすすめ記事

メールマガジン登録
メールマガジン登録
ビジネス香川Facebookページ