高松空港民営化から1年 空港と香川の観光の「これから」は

BK編集室

Special

2019.04.04

「観光」には2つの楽しみがある。訪れる旅行者を迎えて交流する楽しみと、旅に出かける楽しみ。その両方の拠点となるのが「空港」だ。

高松空港は4月で民営化1年を迎える。「瀬戸内No.1の国際空港」を目指す高松空港がどう変わってきたのか、今後どう進化していくのか。空港から始まる香川の観光について、高松空港株式会社 社長・渡部哲也さんと、旅行需要の拡大や旅行サービス向上に向けた事業を行う日本旅行業協会(JATA)の中四国支部香川地区委員長・野浪健さんに話を聞いた。

この1年、できることを着実に

高松空港株式会社 社長・渡部哲也さん 旅の楽しみ方:お城やお寺が好き。事前にあまり調べすぎないようにして、現地でいいお店や景色に出合えるのが楽しい

高松空港株式会社 社長・渡部哲也さん
旅の楽しみ方:お城やお寺が好き。事前にあまり調べすぎないようにして、現地でいいお店や景色に出合えるのが楽しい

全国で2番目に民営化、注目度と期待の高さもあり高松空港の話題をニュースで見ることが増えた。「空港の最高の顧客サービスは“安心安全”。それを肝に銘じた上で、できることを着実に取り組んできました」と渡部社長(以下、渡)。まず、要望の多かった「駐車場の混雑解消」に対して、事前精算機を設置し出口も増設した。ゴールデンウイーク前には新しい立体駐車場が稼働する予定だ。

 ソフト面でも、カーシェアリング、レンタルバイク、レンタサイクルといったサービスを企業と連携して開始。祖谷や高知と空港を結ぶバスも就航、空港からの移動手段を増やし利便性を高めている。

「5年が一つのステップだと思っています。空港に入ってきた人も、ここから出かける人にも快適な空間をつくる。その上で来てみたい、高松便を飛ばしてみたいと思わせる香川の魅力を、行政や地元企業とともに国内外に発信して路線拡大にもつなげたい」(渡)

地域の魅力、発掘と発信

日本旅行業協会(JATA)中四国支部香川地区委員長・野浪健さん 旅の楽しみ方:学生時代は放浪の旅をした経験あり。旅先で地元の人とご飯を食べたりすると絶対忘れない。旅の醍醐味は人との出会い

日本旅行業協会(JATA)中四国支部香川地区委員長・野浪健さん
旅の楽しみ方:学生時代は放浪の旅をした経験あり。旅先で地元の人とご飯を食べたりすると絶対忘れない。旅の醍醐味は人との出会い

発信すべき香川の魅力について「ポテンシャルは高い」と野浪委員長(以下、野)はいう。「栗林公園、屋島、うどん、骨付き鳥など核となる素材はある。あとは、そこでどういう体験(コト消費)ができるかをPRする。何をしに行くのかという“目的感”をつくることが大切。個人的には、東かがわ市の手袋メーカーは、見学や体験などができればとても魅力的だと思います。また、香川県はMICE(※)の受け入れ先としてのレベルも高いと思います」(野)

地域の魅力を発掘したらどう発信していくか。それは「香川だけではなく“エリア全体で”という視点が必要」(渡)だという。「高松だけなら1泊でも四国、瀬戸内を周遊すると2~3泊。コンテンツが多いほどアピールできるしリピートにもつながる」(渡)。高松空港では18年4月から「NEOHENRO|四国ネオ遍路」キャンペーンを実施し、動画で四国の魅力を発信している。

4月26日からは瀬戸内国際芸術祭も始まる。「NYタイムズ紙が選ぶ2019年に行くべき場所の上位に瀬戸内が選ばれるなど、世界的に注目されている。今は瀬戸内ブランドを発信する絶好のタイミングですね」(野)

また、インバウンドが注目されているが、日本人にとっても魅力あるエリアにしなければならないと渡部社長。「旅の感動はやはり人との出会い、コミュニケーションから生まれるもの。そういう部分も素材の一つととらえてプロモーションしていく必要もあると思います」(野)

路線拡大のカギは、交流

18年10月に高松―ソウル便が、19年3月に高松―台北便が毎日就航になった。今後さらに路線拡大への期待がかかる。「便数、路線が増えるということで香川を訪れる人が増えるのはもちろんですが、香川から気軽に出かける可能性が広がるということでもあります」(渡)。路線が1つ増えればそこから先の旅行先も増える、プランワン以上のメリットがあるという。

「エリア外の人は香川に来てみたい、エリア内の人は旅に出かけたい、という気持ちになるためには、遠回りかもしれませんが姉妹都市だったり、教育やスポーツを通じて交流を広げるというのも一つの方法では」(野)

交流のキーワードは「人」。その土地の人を知ると行ってみたくなる。「そのニーズにマッチする路線を開拓できれば理想的ですね」(渡)

高松空港の新たな取り組み

高松空港は今年、新駐車場の完成からはじまり夏にはオフィス棟が完成。旅客ビルの改修計画も本格化する。もう一つの柱である路線拡大についても、行政や地元企業と協力して地道に地域の魅力をアピールしたい、と意気込む。

待合室の一部を拡張。
ソファも設置して待合室の席数を増やした。

駐車場の混雑解消。
事前精算機を2台設置し、出口を増やしたほか、GWなど混雑が予想される時期は、近隣のショッピングセンターと提携し、パークアンドバスライドを実施。

「NEOHENRO|四国ネオ遍路」キャンペーン。
八十八カ所巡礼になぞらえ、四国のフォトジェニックな魅力を動画で発信。

空港からのアクセス向上。
琴平・祖谷地区を結ぶ「祖谷バス」や、香港エクスプレスの発着時間に合わせて高知駅を結ぶ直行バス路線が開設された。空港リムジンバスと小豆島フェリーのお得なセット券も好評だ。

国際線の免税店を拡張。

高松空港株式会社

住所
高松市香南町岡1312番地7
TEL.087・814・3657(代表)
設立
2017年9月11日
株主
三菱地所、大成建設、
パシフィックコンサルタンツ、
シンボルタワー開発、香川県、高松市
資本金
82億7700万円
従業員
90人(2019年10月1日現在)
事業内容
高松空港の運営、維持管理、企画、
空港利用者に対するサービス提供 など
路線
国内線:東京(羽田、成田)、沖縄
国際線:ソウル(仁川)、上海(浦東)、台北(桃園)、香港
地図
URL
http://www.takamatsu-airport.com/
確認日
2019.09.30

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