「平成」は207万社、「昭和」の約2倍

全国平成創業企業調査 東京商工リサーチ

Research

2019.05.16

2019年5月1日、元号が「令和」に変わった。東京商工リサーチは、企業データベースから元号ごとの創業企業を抽出し、「平成」創業の企業(以下、平成企業)を分析した。
※本調査は東京商工リサーチが保有する倒産や休廃業・解散を除く企業データ約345万社から、各元号ごとに創業された企業を抽出し、分析した。平成は1989年(平成元年)1月以降とした。

「平成企業」全体の6割

平成30年間に創業された「平成企業」は全国で207万4,902社で、全体(345万社)の6割(60.1%)を占めた。年数では平成の約2倍で、63年余り続いた昭和(1926~88年)の創業企業(108万3,383社)の約2倍に達した。平成は起業ブームに加え、新会社法が2006年に施行され資本金ゼロなど企業の設立が容易になったことが背景にあるとみられる。

トップは首都圏

地区別の平成企業は、最多が関東の98万4,210社で約半数を占めた。以下、近畿34万644社、中部20万8,770社と大都市圏が続き、四国は4万6,734社だった。
各地区の企業数を母数として算出した「平成創業率」は、トップが関東の66.9%。以下、近畿61.7%、北海道57.6%、九州55.9%と続き、四国は49.6%と50%を下回った。

東京に一極集中

都道府県別の平成企業は、最多が東京都の55万9,116社(構成比26.9%)と4分の1を占めた。東京都は平成創業率が73.5%と唯一7割を越え、「平成」は経済活動が東京に一極集中したことを示した。

トップは経営コンサルタント

平成企業の業種別のトップは「経営コンサルタント業、純粋持株会社」で8万6,018社(構成比4.1%)だった。起業ブームを背景に、コンサルティング業務を請け負う業態が勃興し、経営の多角化で持株会社化も増え、平成を特徴付ける業種が最も多く創業された。
 このほか「食堂、レストラン(専門料理店を除く)」などサービス関連業種がランクインし、平成企業の特徴が鮮明になった。一方、建設産業が主要な経済基盤となっていた昭和は、トップ5まですべて建設関連がランクインしていた。

企業全体の6割を平成企業が占め、その存在感は「令和」時代に入ってもさらに増していく。平成企業は今後、順を追って創業30年を迎える「老舗」企業へと変貌していくことになるが、令和でも平成企業が日本経済を牽引する主役になれるかどうかが、日本経済の行方を左右することになるだろう。

東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長 立花 正伸

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