期待し続けることの効用

株式会社DaRETO(だれと)城石果純

column

2019.06.20

しまの塾の様子

しまの塾の様子

2017年の起業と同時に、小豆島の若手人材育成プログラム「しまの塾」を立ち上げた。その3期目が4月にスタートした。1年間を通じたプログラムで、行動力・問題解決力・コミュニケーション力を磨く。参加者の皆さんと同じ時を過ごす中で、期待されれば人は変わるのだと確信した。前日は緊張して眠れないと言っていた参加者の上司から「会議で提案するようになった」と嬉しい報告を受けた。また、初回時に緊張して泣いていた人が、最終回で堂々と発表していた。

私どもが行っているプログラムは、プラスのエネルギーに触れる・自分で考える・言葉にする・行動するというシンプルなものだ。最終回では「時代がものすごいスピードで変化する中で、10年後20年後、最後に頼れるのは自分だけ。どうか仕事を後ろ向きにではなく、自分から手を上げるような気持ちで取りに行ってほしい。仕事の報酬は仕事。すべてが自分のお仕事戦闘力(スキル)につながる」と伝えている。

地域も会社も、源泉は「人」。例えば全員のパフォーマンスが今の2倍となった世界を想像してほしい。給与は、働く時間は、働き方は、暮らしは、職場の風土は、どうなっているだろう。そこにはどんな世界が待っているだろう。トップが前を向かない企業の社員は前を向けない。噂話や悪口などが蔓延し始めると、組織は一気に停滞する。マイナスをゼロにするためのエネルギーはとても膨大だ。だから組織の問題を放っておいてはいけない。

期待されなければ人は成長しない。人材育成で最も大切なことは「期待しつづけること」だ。かつて山本五十六は「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」と言った。実はこの言葉には続きがある。「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」。実際の育成の場面では、何十回・何百回と繰り返す必要があるだろう。それでも「あなたならできるよ」「あなたに期待しているよ」というメッセージを伝え続けることこそが、人材育成において最も大切だと思うのだ。

城石 果純 | しろいし かずみ

略歴
1984年 愛知県生まれ
2003年 愛知県立旭丘高校 卒業
2007年 早稲田大学人間科学部 卒業
    株式会社リクルート 入社
2012年 株式会社リクルートライフスタイルに分社化
2016年 同社退社、個人事業主として独立
2017年 株式会社DaRETO 創業

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