ジブンゴトの人生とは、自分だけの心地良さを選ぶこと。

DaRETO 城石果純

column

2020.03.05

中学生の時に祖父の会社が倒産した。その時の、手段であるはずのお金が目的になり、振り回される大人たちの姿の記憶が今の自分のベースにある。目を背けたくなる事も、心身ともに衰弱することもあるけれど、そのたびに13歳の私が問いかける。「自分の足で立っているか。人生の目的は何だったか」

人生とは自分の見たもの、触れたもの、感じたこと、学んだことがすべて積み重なって「点と点が線に、線が面になる」状態なのだと常々思う。武器や資産はあった方がいいけれど、ないと生きられないわけではない。しかし積み重ねと信頼は、ないと生きづらくなる。

私の中にも色々な自分がいる。個人としての自分、家族の中の自分、仕事をしている自分、地域の中にいる自分、友人の中の自分。それぞれの自分は、何を持ち、何を思い、何をしているだろう。どうあるのが心地良いだろう。私の場合は結婚、出産してから小豆島に移り住んだので、子どもの頃の自分を知っている人と普段接する機会がない。残念ながら、島に来てから萌えている「幼なじみ婚」でもない。妻であり母である前提で接する人が100%なので、昔の友人と連絡を取ったり、会いに行ったりする時間を大事にするようになった。そうしないと、自分が保てなくなるのだ。

バランスが崩れる時もあるが、自分の心地良さが何なのかを気付いているか否かでは、人生の質が変わってくる。どう在るのか、在りたいのか。どうも論理的思考が優先されがちな空気があるが、自分を感じるということをもっと大切にしたい。あなたが歩んできた道は、あなたが選んできた軌跡だ。何かを選んだということは、何かを選ばなかったということだ。何かを手放し、繋いでいくのも素晴らしい。

何となく今がある時もあるだろう。思い込みや観念に縛られている時もあるだろう。でもどんなこともあなたの選択の上にある。そして点を線に、線を面にしながら、自分だけの軌跡を編んでいこう。誰と生きるのか、どこで生きるのか、何をして生きるのか、すべて選べる。

城石 果純 | しろいし かずみ

略歴
1984年 愛知県生まれ
2003年 愛知県立旭丘高校 卒業
2007年 早稲田大学人間科学部 卒業
    株式会社リクルート 入社
2012年 株式会社リクルートライフスタイルに分社化
2016年 同社退社、個人事業主として独立
2017年 株式会社DaRETO 創業

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