お客さま目線で “活用される”サービスを

NTTドコモ 執行役員 四国支社長 三ケ尻哲也さん

Interview

2019.10.17

「どういう仕組みで車は動くのか、なぜ電話は遠く離れたところに音声が伝わるのか。そういうことを考えるのは昔から好きでした」。NTTに入社後も主に技術系の業務に携わり、NTTドコモ勤務になってからも開発部門に所属。よりクリアな音質で通話できるサービス「VoLTE(ボルテ)」(注)の開発なども行った。

「技術が好きでずっとやってきた」というキャリアの中で、2007年に法人営業の部署に配属。お客さんや営業部門と直接話す機会が増え、視野が広がった。「今までは、いいものを提供するために技術を追求する。それで、完成したらひと区切りだと思っていました。でも、商品やサービスはお客さまが使い始めてからがスタートなんです」。どんなに便利な商品やサービスでも、活用されなければ意味がないという。

最新技術をどう生かすか

5GオープンラボSHIKOKU開設時のセレモニー

5GオープンラボSHIKOKU開設時のセレモニー

最先端の技術は、消費者や企業のニーズに寄り添うべき。そこで、開発と営業部門、お客さんが三位一体となって課題を解決する「TOPGUN(トップガン)Ⓡ」という仕組みをつくった。チームで手掛けたのは、画像認識技術を使った商品陳列のデータ化によるマーケティング活用、プログラミングが学べる教材でダンボールロボット「embot(エンボット)」の商品化、AI技術(ビッグデータ分析技術)を活用した飲食店の来店客数予測など。「新しいものを生み出すんだというワクワクした気持ち、何より自分たちがいいと思ったソリューションをお客さまに喜んでいただけるのが嬉しいですね」

携帯電話は今、アナログだった「第一世代」からデジタル化、国際化、高速化…と進化し続けて、「第五世代」(=5G)の時代を迎えている。5Gは、これまでの通信速度と比べて圧倒的に「速い」のが特徴だ。「単純に『速い』のがすごいのではなく、速いからいろんな場面でさまざまなニーズに応えられる。可能性が広いということで注目されているんです」

その5Gを活用し、他分野の企業と連携して新たなビジネスを生み出すための「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」の推進にも携わった。「農園で、遠隔操作による技術指導を受けられるシステム、建設機械を遠隔制御するシステムの取り組みなど、具体的な活用シーンに合わせて技術をどう生かすか考えるのが5Gの時代。お客さま目線がますます大事になるからこそ、今までの経験が生かせると思います」

ため池の水位を――

瀬戸内国際芸術祭で男木島を訪問

瀬戸内国際芸術祭で男木島を訪問

香川に赴任して八十八カ所巡りを始めた。旅行とおいしいものが好きで、四国を旅することを楽しみにしている。

その赴任地で、地域のためにできることは何かを日々考えている。「今、話をしているのはセンサーを使った、ため池の水位の管理。農業・防災両面からお役に立てるのではないかと思っています」

9月に5Gを体感できる「ドコモ5GオープンラボⓇ SHIKOKU」が、四国支社内にオープンした。「これをきっかけに、いろいろな分野の方々と、地域の課題を解決するソリューションを提供していきたいですね」

石川恭子

三ケ尻 哲也 | みかじり てつや

略歴
1966年 大分県生まれ
1985年 大分県立大分雄城台高校 卒業
1991年 大分大学大学院工学研究科修士 修了
    日本電信電話株式会社 入社
2000年 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(現 株式会社NTTドコモ)
    コアネットワーク開発部担当課長
2007年 ソリューションビジネス部担当部長
2010年 ネットワーク開発部担当部長
2015年 ソリューションビジネス部長
2019年 執行役員 四国支社長

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