香川はどうしてこんなに素晴らしいんだ その2

梅田 智子

column

2019.12.19

地元を離れて暮らす私にとって、香川がうらやましくて仕方がないことは数えきれない程あり、その一つが「芸術士とこどもたち」。アーティストが「芸術士」として保育所や幼稚園で子どもたちと共に過ごし、感性や創造力を伸びやかに引き出していく取り組みです。実はこれ、米ニューズウィーク誌で「世界で注目すべき幼児教育」の一つとして紹介された「レッジョ・エミリア教育」に着想を得て、10年も前に高松市で芸術士派遣事業として開始、現在市内43の幼児施設で展開されています。

「そういやうちの子も保育園で芸術士さんと変な作品作っとったな」程度のご認識の方、あなたのお子さんが受けているのは世界最先端の幼児教育です!全国の自治体や教育関係者の視察が後を絶ちません。

この事業を運営するNPO法人アーキペラゴの一員として立ち上げに関わったこともあり、また自分自身が子育て中でもあり、私もこの事業にはずっとワクワクしながら関心を寄せています。

芸術士は絵や工作を教えるのではありません。どんな作品を作るか設定もしません。毎週保育園にきて子どもたち一人ひとりを知り、先生とは違う「ヘンテコなおとな」として子どもたちの社会の一部に溶け込んで、子どもたちの日常をアートの目線から「見守る」のです。

現在23人いる芸術士は絵画、彫刻、漆芸、染織、身体表現など専門分野はさまざまですが、共通するのは常に感性の扉を全開にして、クリエイティブであることを追求して生きる姿勢。そんな創造力にあふれる人たちが子どもたちと真剣に遊んでくれる。これほど贅沢なことがあるでしょうか?

枠にはめられることなく伸びやかに豊かに育った子どもたちが、20年後30年後に高松市をどう創っていくのか!それが今から楽しみで仕方ないのと同時に、子育て中の自分が高松にいないことがとても悔しくてなりません!

梅田 智子 | うめだ ともこ

略歴
高知生まれ、香川育ち、東京在住。三児子育て中。サンポート高松トライアスロン大会エヴァンジェリスト

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