自分に何ができる?「存在意義」が出発点

ストロングポイント 代表取締役社長 加賀隼人さん

Interview

2020.12.17

「自分がいる世の中といない世の中に“差”があるなら、自分の行動で何かが少しでも変わった――自分が存在する意義があったということ。その“差”をできるだけ広げていきたい」。加賀隼人さんが2014年に創業した「ストロングポイント」は、中小企業向けの人材育成、コンサルティングなどを手掛けている。

コンサルティングについては、前職のデロイト・トーマツ在職中に大手メーカーをはじめ数々の事業を担当してキャリアを積んだ。同時に、上司のおかげで「自分の存在意義」を徹底的に考えるようになった。「コンサルティング部隊は、会社に依頼されるプロジェクトに対し、スキルが認められれば参加できる。自分は何ができるか常に考え、準備しておかないと仕事ができない環境でした」

ある時、自分が育った高知の企業の案件が持ち込まれた。愛着ある街のために手を挙げたが、プロジェクトには参加できなかった。しかし、そのことをきっかけに四国に貢献できる仕事がしたいと思い始めた。

東京で仕事をしながら月1回高知に行き、同級生や地元企業の経営者100人以上に話を聴いた。同世代の経営者たちの多くは「人材育成」について悩んでいた。「先代が創業者の場合は特に、トップ一人が会社を引っ張るケースが多い。組織がまとまりやすい反面、社員たち自身が考えて動くことが苦手になっていて、若手経営者はそのことに危機感を抱いていました」

自分で考えて動けないのはなぜか。それは自信がないからで、教育で知識やコミュニケ―ション力といったスキルを身に付ければ変わるのではないか。思いは強くなり、退職して高知で起業した。「全国組織の支店ならまだしも、地方で人材育成やコンサル業を起業するのは難しいと言われましたが、難しいならそこに自分の存在意義があるんじゃないか」
セミナーの様子

セミナーの様子

社員がセミナーや研修に参加するのは、珍しいことではない。しかし、研修内容をスキルとして定着させるのは難しい。定着には「振り返り」と「言葉として人に説明できるよう概念化」することが必要だという。そこで、定額制で何人でも何回でも研修が受けられるプログラムを始めた。「誰もが公平に教育を受けられるように、という理想で始めましたが思ったほど手応えがなかったんです」

幹部だけ、新入社員だけなど、特定の人が受けるという考え方が根強く、理想と現実のギャップに愕然とした。そこで、人数を絞って契約できるよう変更したほか、その人に合わせたカリキュラムを年間何度でも受けられるプログラムをつくるなど、試行錯誤を続ける。「この地の企業を支援して結果を出しながら、なぜ人材育成が重要かを地道に伝えていきたい」
社員とアウトドアを楽しむ

社員とアウトドアを楽しむ

人材育成をはじめ、組織再編や人手不足を解消する自動化の支援など、いま手掛ける事業の背景には「地方の中小企業を元気に」という思いがある。今後は、一人が複数の企業で働く、大都市と地方で仕事をするといった新たな働き方のサポートや、大都市の真似ではない地方発のビジネスを生み出すことなども考えている。

「ベースはやはり“人”。大都市と情報・知識格差をなくして人を育てる文化をつくっていきたいと思います」

石川恭子

加賀 隼人| かが はやと

略歴
1979年 愛知県生まれ 高知県育ち
2004年 デロイト・トーマツ・コンサルティング 入社
名古屋支社長、大阪支社長を歴任
2014年 同社 退社
    ストロングポイント株式会社 創業
2020年 高松市に本社を移転

ストロングポイント株式会社

住所
香川県高松市林町2217-15香川産業頭脳化センタービル3階
代表電話番号
087・880・8257
設立
2014年
事業内容
人材育成プロジェクト(高知・高松・松山開催)、中堅・中小・ベンチャー企業向けコンサルティング事業、RPA導入・運用コンサルティングなど
確認日
2020.12.17

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