《どんな問題が起きるのか》
「人望こそ大事」と、先代社長が後継者と古参幹部や従業員との交流を図る、現場になじませる、あるいは、会社の成長に向けた中期経営計画や新規事業計画を立てて後継者としての存在感を示そうとするかもしれません。こうしたさまざまな施策は、多くの場合失敗に終わるのです。
それはなぜか—―。何をするべきかだけではなく、その"順序"が大事だからです。
《どんな順序で進めるべきか》
最初はバスに誰を乗せるかを決めることです。具体的には「自社のカルチャーの見える化」です。これは過去のカルチャーを捨て、新たに自分のカルチャーを作り、新しいカルチャーに合う人材を選択するということです。
次にバスの「席割り」を決めることです。人事評価制度の見直しと次世代幹部の育成を行います。さらにバスの「空席」を埋める。自社の5年後を引っ張る人材を採用することです。しかし、すぐに人が採用出来ない場合は社内のDX化を検討していくことも一つの方法だと思います。ここまできてようやく、バスの行き先を決めます。中期経営計画の策定です。最後にバスのサイズを拡大する。ビジネスモデル変革やM&A、新規事業などがこれにあたります。
なぜこのような順序で進めるべきか——。それは、順序を間違えると「誰も協力してくれない」からです。急いで「バスの行き先」や「バスのサイズを拡大」するのではなく、「バスに誰を乗せるか?」からスタートすること。順序を意識して改革を進めることで、事業継承をスムースに進めることができます。
後継者として事業を引き継いだら、「自社のカルチャーの見える化」からスタートしてみてください。
ストロングポイント株式会社 代表取締役 加賀 隼人
加賀 隼人| かが はやと
- 略歴
- 1979年 愛知県生まれ 高知県育ち
2004年 デロイト・トーマツ・コンサルティング 入社
名古屋支社長、大阪支社長を歴任
2014年 同社 退社
ストロングポイント株式会社 創業
現在は、香川・愛媛・高知・岡山・大阪・東京を拠点に事業を展開 - 写真
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