コロナ禍や令和改元時増加の反動で減少

東京商工リサーチ 2020年 香川県「新設法人動向」調査

Research

2021.06.17

2020年(1~12月)に全国で新しく設立された法人(以下、新設法人)は13万1,238社(前年比0.1%減)で、2018年以来、2年ぶりに前年を下回った。業種別では、2019年より宿泊業が32.2%減、飲食業が12.7%減で、この2業種で1,395社減少した。コロナ禍での移動制限、三密回避が企業業績に大きな影響を与えているが、新設法人の動向にも影響したようだ。

香川県内では、三豊市が前年比29件減、善通寺市が14件減となるなど、合計でも前年比36件減の702社に留まった。

※ 本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(対象400万社)から、2020年(1~12月)に全国で新しく設立された全法人を抽出、分析した。

10産業で6産業が減少

産業別では、例年通り「サービス業他」が336社と最も多く設立された。「建設業」が77社、「小売業」が67社、「製造業」が60社、「不動産業」56社、「情報通信業」37社と続く。

前年比増加率が最も高かったのは「運輸業」の42.8%で20社が設立され、以下、「農・林・漁・鉱業」25.0%(25社)、「金融・保険業」16.6%(14社)、サービス業他1.2%(366社)だった。

一方、前年より設立件数が減少した6業種の中で、前年比減少率が最も高かったのは「卸売業」の前年比41.1%で10社が設立されるに留まった。以下、「建設業」23.7%(77社)、「情報通信業」17.7%(37社)、「小売業」12.9%(67社)、「製造業」4.7%(60社)、「不動産業」1.7%(56社)と続く。コロナ禍で休業要請等もあり設立が敬遠された「小売業」、小売業に卸している「卸売業」、2020年3月頃に資材調達が困難だった「製造業」、感染を嫌い至急のリフォーム以外は後回しとなった「建設業」等、新型コロナウイルス感染拡大の影響で減少したものと見られる。

2020年の株高で信託業、投資運用業、保険業含む「金融・保険業」、人手不足は解消されていないものの、巣籠り需要から物流が活況で「運輸業」などが新設増加に繋がった。

香川県では2020年に702社が新設されたが、前年の令和改元時、設立が増加した反動で前年比36社減、4.8%減となった。香川県の2020年の休廃業・解散は365社(前年比4.9%増)、倒産は37社(同41.3%減)で、約400社近くが1年間で市場から退出した。2020年の企業支援策は、コロナ禍で給付・貸付・リスケ(返済猶予)の「一律救済」で、市場からの退出数は当初予想より大幅に抑制された。ただ、既存企業への支援が優先された格好で、法人設立の後押しに向けた更なる取り組みも必要だ。

ポストコロナに向け、リスケ継続や事業再構築支援など既存企業への支援は拡充されつつある。しかし、市場拡大や経済の活性化には「新たな力」も欠かせない。コロナ禍で業種間の新設動向には濃淡があり、こうした業種への底上げにも考慮した対応策が求められる。

東京商工リサーチ四国地区本部長兼高松支社長 立花正伸

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