2021年上半期(1~6月) 四国地区・香川県企業倒産状況

東京商工リサーチ

Research

2021.08.05

2021年上半期の四国地区企業倒産(負債総額1,000万円以上、内整理を含む)は件数68件、負債総額145億4,200万円となった。倒産件数は、前年同期比34件減、負債総額は前年同期比52億9,500万円減。件数は1971年の集計開始以来最少、負債総額は4番目に少ない低水準だった。

県別件数では、前年同期比で徳島が21件、高知が10件、香川が6件減少。一方、愛媛が3件増加した。原因別では、販売不振47件で最多、以下、既往のシワ寄せ8件、放漫経営、その他各4件、他社倒産の余波3件、過小資本2件だった。「不況型」倒産(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金回収難)は55件で構成比80.9%となった。

香川の概況

2021年上半期の香川県企業倒産(負債総額1,000万円以上、内整理を含む)は20件、負債総額16億3,100万円。件数は前年同期比6件減、負債総額は前年同期比35億9,000万円減。上半期における件数20件は、過去10年の比較で2017年と同数の8番目。負債総額16億3,100万円は過去10年間の比較で最少で、歴代でも1972年の5億6,200万円に次いでの低水準だった。

市郡別では、最多は高松市の7件、丸亀・善通寺・観音寺市が各3件、仲多度郡が2件、東かがわ市・綾歌郡が各1件。原因別は、販売不振が16件で最多、放漫経営2件、他社倒産の余波、その他が各1件。産業別は、製造業が5件、建設・卸売・小売・サービス業他が各3件、不動産業が2件、運輸業が1件。負債総額別では、1千万円以上5千万円未満が14件、1億円以上5億円未満が3件、5千万円以上1億円未満が2件、5億円以上10億円未満が1件だった。

香川県では、近時、新型コロナウイルスの新たな感染者は抑制傾向にあり、街の賑わいなど徐々に回復基調と見られる。しかしながら、新型コロナウイルス蔓延前の経済水準には程遠いうえに、東京等都市部において再び感染者数が増加している点も気掛かりである。
上半期の倒産20件のうち、12件が新型コロナウイルス関連倒産となっている。倒産件数は低水準ながら、倒産件数に占める新型コロナウイルス関連倒産の比率は高まっている。

元々経営状況がよくない中小企業において、新型コロナウイルスの影響による売上減少で厳しい経営を余儀なくされている。そのような企業のなかから息切れし、夏場から秋口にかけて倒産件数は大型倒産を交えて緩やかに増加していくものと見られる。

東京商工リサーチ四国地区本部長兼高松支社長 有馬知樹

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