「今を生きる」

四国なんでも88箇所巡礼推進協議会会長 佐藤 哲也

column

2022.03.03

これから世界が、日本が、四国が我が県が自分の住む町がどうなっていくのだろうと考えるのは、今を生きている人達にとって当然のことだろうと思います。ただ、これにもなんとなく四国四県の特徴が見え隠れします。私自身、『四国なんでも88箇所巡礼委員会』で四県の地元民から各ジャンルの委員を集めて過去通算150回ほど会議(とその後の懇親会)を重ねており、その経験からですが――。

例えば香川の人は、個人の事でも社会の事でも「自分の生きている期間だけなんとかなればあとのことはあとの人に任せる」的な考えが多い様に思います。商売人気質である徳島県人はもっと短期的に考えて「先のことはわからんので今のうちに出来るだけ儲けておけば良い」と目の前の最大利益追求にいそしみ、金銭感覚に長けている愛媛県人は「資産をどのように仕組み作りして、自分はどこに移り住むか?」を画策します。わけても高知県人が未来を話すと坂本竜馬やアメリカの大統領やらが登場して、しまいに一大大河ドラマになるのですが、語るも聞くも彼らとの場合にはお酒が必須です(笑)。 

もっと先のことをと20年30年から半世紀単位で考えてみても、今の各種の統計数値の方向性から見ていますと、日本、特に地方は、あまり明るい未来が見えてきません。ただ、大きな目で見ていると歴史や社会や人口増減は循環している様ですので、四国も香川もたとえ一旦ジャングルの密林となってしまっても、100年後には世界の先端地になっているかも知れません。

しかし、今がどうであろうといずれ来たるべき次世代以降の未来のために今を懸命に生きねばなりません。今の日本も戦争等で亡くなった多くの人達のお陰で、我々があります。教科書で習う歴史は主に「勝者」のつくったものですが、それだけではなく幾多の「敗者」の見えない努力があったからこそ現実の歴史はあります。その意味では、綺麗事だけではなく、「歴史の捨て駒」や「次世代の肥やし」になる覚悟と人生観が我々今を生きる者ひとりひとりに必要なのかも知れません。

四国なんでも88箇所 巡礼推進協議会会長 佐藤 哲也

略歴
1960年4月5日 高松市生まれ
1979年 高松高校 卒業
1984年 早稲田大学政治経済学部政治学科 卒業
    株式会社西武百貨店 入社
1986年 株式会社久本酒店 入社
1992年 代表取締役社長 就任
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四国なんでも88箇所 巡礼推進協議会会長 佐藤 哲也

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