資材を無駄なく生かす自社ブランドの挑戦

同社は三木町に本社を置くスポーツ用手袋メーカー。国内大手スポーツブランドの厳しい品質水準に応えるOEMを得意とし、ゴルフ・野球を中心にトップアスリートにも愛用者が多い。近年は60年にわたって磨いた手袋製造技術を生かし、自社オリジナル製品の開発にも取り組んでいる。その一環で今夏新たに打ち出そうとしているのが、入門・練習用にぴったりのゴルフグローブだ。

まずは防水性の高いポリウレタンやスエードを使用した3種がデビュー。『941』シリーズをはじめとする同社ブランドのゴルフ用手袋に比べてリーズナブルで気軽に使えるのが特長だが、使用している生地は上位ラインと同等の高品質なもの。手袋の型を豊富にそろえ、生地の性質を熟知した同社のノウハウを惜しみなく詰め込んだ一品となっている。「仕入れた生地を無駄なく活用し、工場を安定稼働させる試みからスタートした商品です。サステナブルで持続可能なものづくりとして、時代のニーズにも沿うのではないでしょうか」と、スポーツ事業部課長の上原一徳さん。

オンライン通販のほか本社での小売にも対応し、販路はさらに広げていく見通しだ。上原さんは「より広範囲の皆さまに手に取っていただくことで、香川のスポーツ人口増加に貢献するとともに、身近な地元企業として当社の知名度が上がればうれしい。オリジナルブランドで新たに培ったノウハウや情報が、OEMの活性化にもつながれば理想的」と意気込む。

同社オリジナルブランドの強みは、大手がなかなかカバーできないニッチな小ロットニーズにも応えられること。今後もゴルフに限らず、パラスポーツなども含めた多様なユーザーの声を反映し、きめ細かいものづくりで独自の市場開拓を目指していく見通しだ。