
水道行政で深めた見識

池田総合管理所長時代は阿波踊りにも参加
「2度の出向は珍しいケースです。水道は昭和40年代に普及率が急上昇し、耐用年数が約40年で、2010年代がちょうど更新需要期。財源を確保し、持続可能な水道事業を守るアセットマネジメントが、私の仕事でした」。全国で講演活動を行う中で、聴衆の熱気を肌に感じて「みんな危機感を持っているんだ」と実感したことも忘れがたいという。
水資源機構本社で経営企画部や全国のダム管理を統括するダム管理課長を経て、池田総合管理所の所長として初めて四国の地を踏んだのが2017年。ダムは洪水や渇水を未然に防ぐため放流機能を使って水流をコントロールし、下流の生活を守る役割がある。所長を務めた2年間、施設のメンテナンスと月1回の訓練を欠かさず職員の意識を高める一方、18年7月には西日本豪雨も経験した。「絶対に放流の調整を誤ってはいけないし、1時間以上雨が降り続けて気が抜けず…生きた心地がしなかった。管轄内では被害が出ず、本当に安堵しました」
暮らしを守る責任を胸に

その土地の食や文化に触れるのが大好き
水を生み出すダム建設と、それに伴う環境保全の取り組み、下流域の暮らしを守るダム管理など、スケールの大きいキャリアを築けたのは、「いろんな経験をさせてくれる当機構の風土と、やらまいか精神の賜物」と振り返る。「自分が携わったプロジェクトや施設がきちんと力を発揮して、渇水や洪水から暮らしを守った時は、心からよかったと思います」
戸塚 愛野
木下 昌樹 | きのした まさき
- 略歴
- 1965年 静岡県生まれ
1989年 京都大学大学院工学研究科交通土木工学修了
水資源開発公団に採用
2017年 (独)水資源機構 池田総合管理所長
2019年 同 本社特命審議役
2020年 同 本社危機管理監
2021年 同 中部支社副支社長
2022年 同 関西・吉野川支社 吉野川本部長
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