コロナ禍の先を見すえる 新しい発想の「実験場」

ツジセイ製菓
讃岐三白 店長 白井美鈴さん/営業部未来戦略室 広報担当 大住玲央さん

Interview

2022.06.16

白井さん(左)と大住さん

白井さん(左)と大住さん

全国のお土産菓子をBtoBで手掛け、事業の9割以上は県外向けというツジセイ製菓が、地域の知名度向上を目指す新しい挑戦を始めた。その拠点となるのが、高松中心市街地にある『讃岐三白』だ。

代表取締役社長の田中大介さんが「当社のラボ(実験場)」と表現する3階建ての自社ビルで、1階は焼き菓子店、2階はカフェ、3階は絵本フロアとし、2020年4月のオープン以来、特に1階の工房で毎日焼き上げるエッグタルトが人気を呼んでいる。

店長の白井さんは、関西の菓子店に4年務めた後、結婚を機に郷里の香川へ。「お菓子づくりの仕事を続けたい」と入社し、ちょうどオープンを控えていた讃岐三白に配属。同店で日々販売する菓子づくりを一手に担うが、主な仕事は製造ではなく商品開発だ。「店休日の月曜に新商品のアイデアを練り、営業日に実際に提供してみる、という開発スタイルです。利益を追求するより『試してみる』場としての役割が大きいですね」

人気商品のエッグタルトは、パイ生地にカスタードを詰めて焼き上げるスイーツ。ポルトガルや香港、台湾などでポピュラーだが、白井さんは当初、聞いたこともなかったという。「そこから試作を重ねて『これだ!』と思える商品に仕上げていくのは大変でしたが、既存のレシピ通りに淡々とつくり続ける仕事と違って、新しいものを生み出す試行錯誤の楽しさを味わっています。エッグタルト以外の柱となる商品も開発したいし、やりたいことはいっぱいあります」

広報担当として讃岐三白のPRも手掛けるのは、クリエイティブディレクターの大住さん。パッケージデザインや商品企画に興味を持って入社した。名古屋・関西圏の顧客対応と商品企画に携わる営業活動のかたわら、SNSの運用、讃岐三白の店内に掲示するPOPづくりまで、幅広く担当している。

「想像以上にいろんなことができる会社で、入社して驚きました。大阪から戻った当初は『田舎にはあれもこれもない』とネガティブでしたが、いろんな情報に刺激を受けて、やりたいことを形にするための讃岐三白。ないものはつくればいいと今は思います」

コロナ禍でお土産菓子は伸び悩んでいるが、フル回転で本業に奔走する日々ではなくなったからこそ、讃岐三白を本格的に運用する時間も生まれた。大住さんが所属する未来戦略室は、コロナ後を見すえる同社のビジョンを象徴している。「先輩たちはこれまで『半歩先』の気づきをヒントに成功をつかんできました。僕も自分の熱い思いを大切に、チャレンジを続けていこうと思っています」

若手が担う『実験場』の挑戦は、まだまだ始まったばかりだ。

戸塚 愛野

白井 美鈴 | しらい みすず

略歴
2016年 専門学校を卒業、宝塚市の菓子店に入社
2020年 ツジセイ製菓に入社
2022年 讃岐三白店長に

大住 怜央 | おおすみ れお

略歴
2020年 摂南大学 卒業
2020年 ツジセイ製菓株式会社 入社
2022年 営業部未来戦略室 所属

讃岐三白

住所
香川県高松市番町1-10-51
代表電話番号
087-880-7200
営業時間
火~金曜 11~19時
月曜休
地図
確認日
2022.06.16

ツジセイ製菓 株式会社

住所
香川県高松市香川町川内原1591-1
代表電話番号
087-885-2000
設立
1986年
社員数
100人
事業内容
香川産のお菓子の企画・提案、パッケージ加工、製造・販売
沿革
1986年 高松市寺井町にツジセイ製菓有限会社を設立
1994年 株式会社に組織変更
2007年 香川町に事務所、工場を新設
    本社機能を移転
資本金
4500万円
地図
URL
http://www.tsujisei.co.jp
確認日
2018.01.04

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