
「うどんの本場・香川から、日本の麺文化の素晴らしさを世界中に広めていきたいんです」。新たな大きな目標を今追いかけている。
ロボットから麺へ

「香川には元々、『うどんの本場』という強いブランド力がありますよね。その本場で製麺機を作れば、そのまま良いイメージがついてくると思ったんです」。1979年に大和製作所を設立。藤井さんは 「30年間は下積みでした」と振り返る。しかしその下積みを経て、今や店舗用製麺機のシェアが約30%と、業界トップの企業にまで成長。去年、宇多津町に本社機能も持つ新工場を作り、今年2月から本格稼働を始めた。
「手打ち以上」を目指して
「麺の断面を見ると角がシャープにとがっていて、四辺が凹んで鼓状になっているのが理想です。無理に大きな力が加わっていないので、麺の組織が壊されていないんです。凹みが大きいほどおいしいですね」
製麺機では小麦粉、水、塩など材料の配合や、加水率、天候や気温、湿度などをコンピュータが自動計算。熟成の度合いや練り加減も制御し、さらには生地を足で踏んで鍛える、うどん特有の〝足踏み〟の工程も行う。藤井さんはこう加える。「手打ちに負けていない、というよりそれ以上のものが機械で作れるという自信があります」
念願が叶った
「社員のレベルを上げることよりも健康を守ることが、会社を強くするスタートだと思うんです。全然風邪をひかなくなった、体脂肪が落ちた、という声をよく聞きますね」。給食は無料。会社が全額を負担している。「社員が健康になるんだったら安いもんですよ」。藤井さんにとって社員とは…「家族ですね。家族だからこそ厳しいことも言います。また『1週間で1%進化すること』を義務付けてもいます。1年経ったら全く別の自分がそこにいる…家族だからこそ成長してほしいんです」
「繁盛」を支援

うどん店などは休日が忙しいため、年中無休の製麺機メンテナンスを始めた。うどん店やラーメン店の開業を目指す人を対象にした「麺学校」も開設した。麺作りだけではなく、店舗運営についても指導するというユニークな学校だ。01年の開校以来、卒業生はすでに2000人を超え、海外からの入校者も多い。卒業生の開業率は30%ほどだが、開業後の廃業率は0.8%と業界平均のわずか10分の1だ。「技術を身につけて開業する人もいますが、逆に麺の道をあきらめる人もいます。店を持っても『成功できない』ことを学ぶ場でもあるんです」
「繁盛支援」へと方針を変えたと同時に、伸び悩んでいた業績も上向いていった。
視線は世界へ
「世界トップレベルにある日本の麺や麺文化を世界に広めるのが私の次の仕事です。私は元々エンジニアでしたが、今はこの麺の仕事が天職だったと思っているんですよ」
藤井 薫 | ふじい かおる
- 1948年 坂出市生まれ
1968年 高松工業高等専門学校機械工学科(現香川高等専門学校) 卒業
川崎重工業(株)に入社、航空機事業 部機体設計課に配属される
1975年 (株)大和製作所を創業
1999年 うどん店「亀城庵(きじょうあん)」開店
2004年 うどん学校を開校し校長に就任
2005年 ラーメン学校・そば学校を開校、校長に - 写真
株式会社 大和製作所
- 住所
- 香川県綾歌郡宇多津町浜三番丁37-4
- 代表電話番号
- 0877-85-6168
- 設立
- 1975年10月24日
- 社員数
- 65名(2021年10月現在)※現地法人含む
- 事業内容
- うどん・そば・ラーメン用製麺機 製造販売
うどん・ラーメン・そば・パスタ学校の運営
麺専門店経営・店舗運営相談、新規開業トータルプロデュース事業
香川県創造法認定麺専用塩「46億年」製造販売 - 資本金
- 9000万円
- 地図
- URL
- http://www.yamatomfg.com/
- 確認日
- 2024.04.18
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