家族の想い、本来あるべき姿を守っていくための提案をしたい

タイム・アンド・スペース 代表取締役社長 金倉 輝明さん

Interview

2010.08.05

自分のルーツをどこまで想像できるだろうか・・・・・・

祖父母までは記憶にあっても、曾祖父母となると曖昧になる。ましてや四代、五代前となると想像の外になってしまう。しかし、江戸時代や、数百年前から先祖が懸命に生きたからこそ今がある。

その先祖に感謝するのが仏壇だ。その仏壇が住宅や人の感性の変化に伴い形を変えている。

仏間、座敷がなくなった住宅

店内に入ると想像とは違う空間に驚く。店舗というよりギャラリーのような落ち着いた雰囲気。両側に並ぶのは、荘厳なイメージとは違う高級インテリア家具のような「仏壇」だ。「現代仏壇ギャラリー」というネーミングに納得する。

家具調仏壇は急速に普及している。首都圏では仏壇の30~40%がこの家具調の仏壇だというから驚きだ。

「現代仏壇」はブランド名だ。今でこそ家具調仏壇のメーカーは数多くあるが、「現代仏壇」は約20年前、最も早く製造を始めたトップブランドだ。タイム・アンド・スペースは香川県内で唯一「現代仏壇」を取り扱う専門店だ。

家族の想いをじっくり聞いて提案

地元の老舗仏壇メーカー金倉仏光堂の三男として家業を手伝っていた金倉さんが独立したのは11年前。

当時全国でもいち早く現代仏壇の専門店をオープンさせた。

家具調仏壇が普及している背景について金倉さんは、「一つは生活スタイルの変化に伴い和室のない住宅が増える現状もありますが、人々の感性や感覚も変化してきているんです」と話す。意外にもその傾向は年配の人に多いそうだ。手近に置けて、場所も取らない。手入れも簡単で若い世代に引き継ぎやすいという理由からだ。だから、お客様に先祖への想いや家族構成など話をじっくり聞いて仏壇を提案している。金倉さんは「小さくてもお客様にとって最良の仏壇をお薦めしています」と話した。

仏壇の本来の意義

仏壇は本来、「人の集まる場所にあって清潔であること」だそうだ。だが、多くの場合、時々しか人の入らない座敷にあって、掃除もそう頻繁にできている訳ではない。こう考えると今までの「仏壇」よりも、常に人の集まるリビングにあって、日常的に掃除のできる家具調仏壇の方が、本来の意義、あるべき姿なのかもしれない。

仏壇は、人の一生のうちでも、そう何度も買い替えるものではない。自らのルーツを知り感謝し、そして世代を超え引き継いでいくものだ。だからこそ、金倉さんは「仏壇の意義を知って、家族の想いに叶ったいいものを買って頂きたいです」と語った。それは家具調仏壇「現代仏壇」にこだわった想いだけではない。タイム・アンド・スペースではこの他にも日本製の従来型の高級仏壇を集めたギャラリーもある。

日本人としてあるべき姿を伝えたい

「あと10年もしたら会社は長男にバトンタッチします」と、唐突に金倉さんは話しだした。

金倉さんには仏壇を扱っていくうちに一つの目標が生まれた。

それは「教育」。

時代の流れの中で失われていくものがある。本来、日本人としてあるべき姿、その忘れたものを取り戻す必要がある。金倉さんは・・・・・・

「人間として、日本人として必要な知識、知恵、哲学を学び、心と人格を磨くことが大事なんです」

そのために・・・・・・

「人間学を学ぶ大学を作りたいですね」と大きな目標を熱く語った。

タイム・アンド・スペースの社名は釈尊の「時間と空間の十字路に立ちて己が雄叫びに耳を傾けよ」という言葉。そして「人として生まれ、生きることを学ぶことによって人間となる。その人間の間は時間と空間の間」という仏教の教えからとったものだという。

また、お盆の季節が巡ってくる。自分のルーツはどこにあるのか・・・・・・。仏壇に手を合わす事は自分自身の歴史を知ることであり、懸命に生きた先祖の想いを知ることでもある。そして、自らのあるべき姿を改めて見つめ直す事であるのかも知れない。

それぞれの家族の想いを形にする仏壇

家具調仏壇のトップブランド「現代仏壇」は、リビングはもちろん和室に合うお仏壇、またイタリア製、壁掛けタイプなど約200種類ある。

この他にも全国的に珍しい日本製の高級仏壇だけを集めたギャラリーもある。

金倉 輝明

タイム・アンド・スペース株式会社

住所
香川県高松市松縄町1133-7
代表電話番号
087-864-5450
設立
1999年
事業内容
現代仏壇・高級仏壇の販売
沿革
1999年 タイム・アンド・スペース株式会社 設立
現代仏壇ギャラリーオープン
2008年 高級仏壇ギャラリーオープン
資本金
1000万円
地図
URL
http://www.timeandspace.co.jp
確認日
2010.08.05

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