特徴
②負債総額は前年度比58億2,200万円の減、過去10年間で8番目
③販売不振が31件で最多、『不況型』倒産は32件、構成比88.9%と高率で推移<
④サービス業他の10件が最多、製造業8件と続く
概況
原因別では販売不振が31件で最多、以下、放漫経営3件、既往のシワ寄せ1件、その他1件となった。『不況型』倒産は32件で、構成比88.9%だった。産業別では、全10産業のうち、農・林・漁・鉱業を除く9産業で倒産が発生した。サービス業他が10件で最多、製造業8件、建設業、小売業各4件、卸売業3件、不動産業、運輸業、情報通信業各2件、金融・保険業1件だった。前年度との比較では、運輸業が2件、金融・保険業、情報通信業が各1件増加した。一方、建設業が3件、小売業、不動産業、サービス業他が各1件減少した。8件の製造業、3件の卸売業、0件の農・林・漁・鉱業は前年度と同数だった。形態別では法的倒産35件(破産32件、特別清算3件)、私的倒産1件(銀行取引停止1件)だった。従業員数別では、5人未満が27件で最多、5人以上10人未満が5件、10人以上20人未満が3件、20人以上50人未満が1件だった。負債総額別では、1千万円以上5千万円未満が17件、1億円以上5億円未満が12件、5千万円以上1億円未満が4件、10億円以上が2件、5億円以上10億円未満が1件だった。市郡別では、高松市が18件、観音寺市、さぬき市が各4件、綾歌郡が3件、丸亀市、坂出市が各2件、三豊市、木田郡、仲多度郡が各1件だった。
22年度の倒産件数36件の内、19件が新型コロナウイルス関連だった。

今後の見通し
経済活動が再開する中、原材料やエネルギー価格上昇に伴う物価上昇、過剰債務の他、ゼロゼロ融資についても最長3年間の利子補給が23年4月から順次終了する。物価高が収益を圧迫する中、今後、元金返済と利子支払いが資金繰りへの負担となる企業の増加も懸念され、経営改善が進まず、事業継続を断念する企業も出始めている。中小企業庁は23年1月よりコロナ借換保証を開始した。ゼロゼロ融資や既存の保証付き融資だけではなく、事業再構築など前向き投資に必要な資金需要にも対応しているが、設定された条件への該当が必要であるなど、ハードルは低くないとの指摘もある。
コロナ禍の出口が見えてきた一方で、物価高騰などのコストアップ要因に加えて、人手不足や過剰債務、コロナ関連借入の返済開始など、中小企業が抱える課題は山積している。この為、業績回復が遅れた企業や新たな資金調達が難しい企業を中心に、企業倒産は増勢を強める可能性が高まっている。
東京商工リサーチ四国地区本部長兼高松支社長 有馬 知樹
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