関西×瀬戸内 持続可能な地域への発展に向けた広域周遊観光の推進
~DBJ・JTBFアジア・欧⽶豪訪⽇外国⼈旅⾏者の意向調査2023年度版~

日本政策投資銀行

Research

2024.06.20

日本政策投資銀行(DBJ)は、2012年よりアジア・欧米豪12地域の海外旅行経験者を対象としたインターネットによるアンケート調査を実施、15年より公益財団法人日本交通公社(JTBF)と共同で調査を行っている。23年度は、関西・瀬戸内の広域連携を念頭に、関西支店、中国支店(含岡山事務所)及び四国支店(含松山事務所)の合同により、調査レポートを公表した。

瀬戸内国際芸術祭/大阪・関西万博の認知度と訪問意欲

訪日旅行希望者と、関西及び四国への訪問希望者における「瀬戸内国際芸術祭」「大阪・関西万博」の認知度および訪問意欲を比較すると、四国訪問希望者が、いずれも最も比率が高い。このことから、四国を訪れたいと考えている人は、これら2つのイベントに対する関心がより高い様子がうかがえる。

香川県の島々を中心に開催する瀬戸内国際芸術祭はもとより、万博に関しても四国訪問希望者の認知度・訪問意欲が関西訪問希望者より高いことから、万博をきっかけとして四国への訪問につなげることができるポテンシャルがあると考えられる。

瀬戸内国際芸術祭/大阪・関西万博訪問希望者のサステナブルな意識

海外旅行の訪問先や宿泊施設を検討する際に「“サステナブルな取り組みを行っていること”を重視しますか」と尋ねたところ、「重視する」「どちらかといえば重視する」と回答した人の合計は、瀬戸芸訪問希望者は93%、万博訪問希望者は89%であり、回答者全体の約7割と比較して高い比率となっている。

このことより、瀬戸芸や万博など日本で開催されるイベントに興味を持ち、実際に行ってみたいと考えている人は、よりサステナブルな意識が高い傾向が見てとれる。四国をはじめとする持続可能な観光地づくりの取組を知ってもらい、サステナブルな地域であるとの認識を広めていくことが、関西・瀬戸内エリアへのインバウンド誘客にとっても重要な要素であると考える。

持続可能な関西×瀬戸内エリアへの発展に向けて~レスポンシブルな意識を~

地域が人口減少や産業衰退に直面する中、観光は産業のすそ野の広さやインバウンドを含めた経済効果、交流人口増加の観点から地域活性化の切り札ともいわれており、観光振興を通して地域社会・経済に好循環を生み出す持続可能な地域づくりが求められている。

関西・瀬戸内が有する多彩な観光資源を組み合わせて広域周遊を推進することで、各地におけるオーバーツーリズムの解消および適正な交流人口増加、旅行者への新たな魅力・価値提供につなげる。また、地域住民と旅行者の双方が「レスポンシブル(自然や文化を守る責任)」を持つことで、関西・瀬戸内エリアが“持続可能な地域”に成長することを願う。

株式会社日本政策投資銀行四国支店 企画調査課 副調査役 藤岡 亜希子

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