店舗のあり方を“自分ごと”として考え、
品質向上や地域貢献につなげる

企業は社会の一員として消費者、従業員、社会などに対して責任を負うという考え方があり、実行することで企業価値･イメージや従業員満足度が向上する。遊食房屋は、食を通じた子育て支援をはじめとした地域貢献に取り組んでいる。

きっかけはコロナ禍により来店者が激減したこと。休校が続く中、少しでも地域の力になりたいと100円でお弁当を提供する子ども食堂を3カ月ほど続けた。「おいしい」と喜ぶお客さんの笑顔が何よりのモチベーションであることを従業員たちは改めて実感し、遊食房屋の存在意義について考えることにもなったという。

その後、取引先にも声掛けして3人以上の子どもがいる世帯に食料品や日用品を届ける取り組みも実施。香川･愛媛･岡山の自治体6カ所と防災協定を締結し、店舗を避難場所として提供、食材の提供も行うことにし、受け入れ時のスタッフの態勢づくりも進めた。

地域の中でどういうお店づくりをすべきか、その理念を共有して形にするには従業員たちが積極的に経営に参画する必要があると考え、サービス、衛生、ホスピタリティなど5つのテーマで改善を進める「経営参画プロジェクト」をスタート。テーマごとに立候補したリーダー、サブリーダーを中心に定期的な意見交換、未来に向けたルールづくりなどを行っている。従業員一人ひとりが考え、レベルアップしながら質の高いサービスや地域に必要とされるお店を目指す。