左官技術を強みに頭角を現し、100人規模の技術者の長へ

天野 優(あまの・まさる)さん/大協建工株式会社 工事部 職長

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2025.08.21

香川で生まれ、左官職人の父と一緒に働いていたが、オイルショックの影響で香川の建設業界も打撃を受け、天野さんは仕事を求めて大阪へ。再び郷里に戻ったのは1987年のことだった。

知人の紹介で入社した大協建工は、当時社員20人ほどの規模。大型施設から住宅までさまざまな現場の内装仕上げを手掛ける同社で、内装工事の知識はほとんどないまま、先輩について現場に出るようになった。どんな現場でもとにかく周囲をよく見るよう心掛けたと言い、いわゆる昔ながらの「見て覚えた」タイプの技術者を自認する。「大都市圏は工程の分業化が進んでいますが、地方ではいろんな作業に広く対応する技術が求められます。初めての仕事を任される時も、不安よりワクワク感が上回ったくらいで、難しいことに積極的に挑戦するのが楽しかった」。

中でも存在感を発揮したのが、コンクリート面に接着剤を塗り、石膏ボードを直接貼り付ける「GL工法」。できる人が少ない特殊な技術だが、練り上げて団子状にした接着剤を壁面に塗っていく工程は左官の仕事に通じるところがあり、父に学んだスキルが大いに生きた。

30歳を迎えた頃、異例の早さで職長に抜擢。「ベテランは大きな現場にかかりきりで、小規模な現場は若手でもリーダーになるチャンスが十分あった」と語るが、30代の職長は今でも珍しい。スムーズに現場をまとめることができたのは、周囲に分け隔てなく接する天野さんの人柄も大きかった。

以降は現場作業員の取りまとめ役として管理に回ることが増え、技術者一人一人のスキルを見極めた上で工期と安全を守る差配を重視し、社内外の調整窓口として活躍。現在は工事部の職長とともに、同社の技術者を中心とする「大協建工協力会」の会長も務める。

入社当時は20人規模だった体制も、今や約100人。今の現場を担う若手について、「見て覚えろではなく、わからないことは何でも聞くようにという方針で下の世代を育ててきました。ジェネレーションギャップがあるだろうから、本人のやり方を尊重し、なるべく口を出さないようにしているんです。彼らなりのスタイルで、次の時代を担ってほしい」と期待を寄せている。
同社が手掛ける内装工事の現場例

同社が手掛ける内装工事の現場例

大協建工株式会社

住所
香川県高松市香西東町547番地3
代表電話番号
087-882-8778
設立
昭和47年10月2日
事業内容
・内装一式工事
・内装リフォーム工事
・各種金属下地工事
・各種ボード貼り工事
・床工事
・木工事
・造作工事
・耐震天井
・耐風圧天井
・音響システム工事
・各種内装仕上材・建材の販売
・特殊内装(冷蔵室内装、防音室内装)
事業所
高松、徳島、淡路、松山、岡山、大阪、東京
地図
URL
https://www.daikyokenko.co.jp
確認日
2025.08.21

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