瀬戸内が織り成す
鏡の中の世界

日本銀行 高松支店 支店長 稲村 保成

column

2026.04.02

携帯で撮った夕暮れの「男木島の魂」

携帯で撮った夕暮れの「男木島の魂」

昨冬の週末、男木島に泊まる機会がありました。この写真は夕暮れどきのフェリー待合所「男木島の魂」(ジャウメ・プレンサの作品)を撮ったものです。遠くにみえる大槌島が逆さまなのは、写真を上下反転させているから。つまり、上にあるのが鏡のような水面に映った姿で、下が本物の「男木島の魂」です。瀬戸内特有のベタ凪と雲一つない天気が織り成す、鏡の中の世界です。

職場から15分歩いて港に行き、40分船に乗るだけでこんな世界に出会えるのが香川、そして瀬戸内の魅力の一つと感じます。天気の良い夕暮れの日を狙って離島に泊まり、静けさに身をゆだねてみることを、ぜひお勧めします。ほんの短い滞在でも、心の呼吸が深くなるのを感じられるはずです。

進化生物学やビジネスの世界には、赤の女王仮説という言葉があります。これは「鏡の国のアリス」に登場する赤の女王が発したセリフ、"その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない"に由来したものです。

生存のために絶え間ないイノベーションが求められる市場競争において、変化に順応する努力を続けることは、確かに欠かせません。しかし、瀬戸内の島々で出会える静謐(せいひつ)な風景の前では、そんな緊張感もそっとほどけます。全力で走らなくても、ただ立ち止まるだけで世界がゆっくりと反転し、違う景色を見せてくれる。そんな時間が次の一歩を踏み出す力になると思います。
生成AIにより作成した男木島の魂の前を走る赤の女王とアリス

生成AIにより作成した男木島の魂の前を走る赤の女王とアリス

日本銀行 高松支店 支店長 稲村 保成

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