日本で1日に起きていることを調べてみた

著者 宇田川 勝司/ベレ出版

column

2018.05.03

私たちは毎日の暮らしの中で様々な数字に接していますが、数字はわかり易く正直です。一方でそこには、マジックが潜んでいたりもしますが、数字を読み取ることでいろんなことが見えてきます。この本は副題にもあるように、今、日本で何が起こり、どのように日本が変わりつつあるのかを、一日を尺度にした数字で浮かび上がらせていきます。

「情報としての数値は、客観的にそれがいくら正しくてもそのままではその数値が持つ実態を捉えにくい場合が多い。しかし、他の数値と比較したり、ちょっと視点を変えたりすると、それまで判然としなかったものが、鮮明に見えてくる」と、本書にあるように日本列島の一日、日本社会の一日、日本人の一日、そして日本各地の一日と、この国を見ていきます。

ページをめくってみるとまず、日本とその周辺で一日に発生する地震の統計が掲載されています。1990年、2011年、2016年の都道府県別の震度1以上の年度別統計表です。1990年は過去30年間で最も地震の少なかった年で、2011年は東日本大震災の年、2016年は熊本地震の年です。

この表をよく見ていくと、1990年に一番地震の少ないのは佐賀県で0回。香川県は4回。ちなみに一番多いのは東京都で断トツの139回です。この3年の合計でみると、全国で一番地震の発生の少なかった都道府県は、私たちの住むこの香川県で67回です。もっとも日本では、いつどこで地震が起きてもおかしくないということが、先の地震で身に染みて分かったばかりです。

他にも春のピーク時、日本列島に飛来する一日の黄砂の量が10万トンと言われるとびっくりしますし、一日に出版される本の数や、沖縄の嘉手納基地の米軍の一日の飛行回数まで掲載されています。楽しみながらぜひお読みください。

宮脇書店 総本店店長 山下 郁夫さん

坂出市出身。約40年書籍の販売に携わってきた、
宮脇書店グループの中で誰よりも本を知るカリスマ店長が
珠玉の一冊をご紹介します。
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宮脇書店 総本店店長 山下 郁夫さん

宮脇書店 総本店店長 山下 郁夫さん

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