あれから30年

元・四国地方整備局長 石橋 良啓

column

2015.08.20

四国地方整備局長の石橋です。5月16日付で着任し、瀬戸標に初めての寄稿となります。どうぞよろしくお願いします。

さて皆さんご存じだろうか、四国に高速道路が開通して今年でちょうど30年になることを。30年前の1985年3月に、松山道三島川之江IC~土居IC間約11キロが開通したのが四国の高速道路の始まりだ。その後、香川県に関係するところでは、1987年12月に善通寺IC~三島川之江IC間が開通、1992年1月に川之江JCTの供用開始により高知道と接続、同年4月に善通寺IC~高松西ICが開通した。また、1998年3月には、津田東IC~さぬき三木IC間が開通。この間その他3県の区間でも開通が相次ぎ、最初の開通から15年経った2000年には四国4県の県庁所在都市が高速道路で繋がり、その形から「エックスハイウェイ」と呼ばれた。その後、2001年3月に板野IC~津田東IC間とさぬき三木~高松中央IC間が開通し、2003年3月に高松中央IC~高松西IC間の開通により、香川県内の高速道路が全線開通した。

現在、四国の高速道路は、「四国8の字ネットワーク」の完成を目指して整備を進めている。完成形約810キロに対し、2015年3月現在で約573キロ(71%)が完成している。その結果、30年前と比べて四国内での自動車による移動時間は、例えば、高松市~松山市は約4時間10分が2時間20分に、高松市~宇和島市は約6時間が3時間10分に、高松市~四万十市は約5時間50分が3時間30分に短縮された。このように高速道路の整備により時間距離が短縮され、地域の皆さんの暮らしや経済などに大きな効果をもたらしている。その例として、四国南西地域の名物である養殖マダイは、高速道路の整備が進むにつれて東京や大阪などの大消費地により早くより多く運べるようになり、全国約6割のシェアを占めるようになっている。また、神戸淡路鳴門自動車道の開通により、濃霧などの気象条件の影響を受けず計画的な出荷が可能となったことから、全国市場の端境期を狙った4月期のニンジンの徳島県の出荷量は、東京都卸売市場年報によると約8割に達している。

皆さんも普段の生活や仕事の中で、高速道路の整備が進んだことによる効果を実感いただいているのではないだろうか。

元・四国地方整備局長 石橋 良啓

略歴
1958年9月 奈良県桜井市生まれ
1983年3月 京都大学大学院工学研究科 修了
1983年4月 建設省 入省
2006年7月 国土交通省北海道開発局 事業振興部技術管理課長
2008年4月 政策統括官付参事官付政策企画官
2009年7月 中部地方整備局 木曽川上流河川事務所長
2011年1月 四国地方整備局企画部長
2012年9月 関東地方整備局企画部長
2014年7月 水管理・国土保全局防災課長
2015年5月 四国地方整備局長
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元・四国地方整備局長 石橋 良啓

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