縫製業が縫い目を減らす決断 「ワンシーム構造」で機能追究

株式会社レガン ゴルフグローブ「941(ナインフォーワン)」

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2017.05.18

スポーツ手袋は本来、運動を補助するものではないのか。この思いがゴルフグローブ「941」開発の原動力となった。近年は洋服のようにデザインや色のトレンドを追いかけることにウエイトを置く手袋メーカーが多い。しかし、ファッション性を追求するほどパーツ数が増え、縫製も複雑になりコストがかさむ。「だったら我々は違う方向性で縫製の技術を生かそう」。代表取締役社長・砂川泰三さんは決断した。必要最低限の縫製で、機能性を追求することにした。

スポーツ手袋に必要なのは形やカッティング、素材など9つの要素という考えのもと、最初に取り組んだのは得意とするゴルフグローブ。最大の特徴は、従来8つあったパーツを2つに減らし、縫い目(シーム)を1つにした点だ。手の平・甲と、指部分のパーツを分けなくても手にフィットする型紙を求め、試行錯誤を繰り返した。さらに、手や指の微妙な動きに対応するため、手の甲側にシリコンをプリント。関節部分は伸縮しやすく、関節のまわりや手の甲はシリコンで適度に加圧してぴったり手になじむようにした。

こうして完成した「941」は、手の平や指に縫い目がないため素手に近い感覚でグリップが握れる。作業時間も4割ほど削減され、従来と同じ価格帯で質の高い素材が使える。「今後はOEM(取引先のブランド名で商品を製造)だけではなくオリジナル商品で“三木町のレガン”ブランドを広く知ってもらい、地元に貢献したい」と砂川さんは言う。

お問い合わせ:TEL:087-898-1211
HP:http://www.lesgants.co.jp

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