こだわりに応える瓦づくり

洋風瓦ファンタジア/三段平乾式本葺瓦 請川窯業

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2017.12.07

瓦の製造、販売、施工を手掛ける請川窯業(観音寺市木之郷町)。屋根瓦の市場が縮小していると言われる中、時代と顧客のニーズに応える瓦づくりを続け、業績を維持している。

人気の商品は、洋風瓦「ファンタジア」。代表取締役の請川和英さんは「色の配置を変えることで、景観によくなじむ瓦です」と話す。黒、灰、茶、赤色などカラーバリエーション豊か。組み合わせ次第で、新興住宅地の洋風の家から瀬戸内の漁師町や古い町並みの伝統的な家屋まで、幅広く対応できる。

昨年から取り組んでいるのは、ファンタジアの「窯変色」の製造だ。窯変とは、陶磁器を窯で焼く時に炎の加減などで、色に変化が生じること。これを瓦でも再現しようと、燃料を微調整できる新しい窯を導入した。燃料を調整しながら焼くことで、備前焼のような風合いの瓦ができるという。窯変色のファンタジアは、年内の発売を予定している。

住宅の他に、寺社の屋根施工も多数手掛ける。寺社向けに開発した「三段平乾式本葺瓦」は、平瓦を縦に3枚連結させた一体型のもの。これを使うことで、屋根の重量が従来の半分ほどになるという。

施工には全日本瓦工事業連盟の「ガイドライン工法」を採用し、「瓦屋根は地震に弱いという印象があるかもしれませんが、そんなことはありません」と胸を張る。粘土を使わずに、金具などで瓦を固定することで、軽量化しながらも地震や台風に強い屋根になる。

通気性が良く、防音、防露など瓦そのものにもさまざまな機能がある。防露効果は、瓦が屋根材につく結露を吸収することで、湿気による建物の腐朽を防いでくれる。建物も守り、まちの景観も美しく保つ。請川さんは「言わば瓦は家を守る鎧。日本の気候にも景観にも合う、いい家づくりに欠かせないものです」と話す。

お問い合わせ:TEL.0875-27-6327
http://ukegawa.info/

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