水に強く、持続性も高い次世代の外用剤

皮膚に貼ったり塗ったりして使う「外用剤」には、用途によって湿布や軟膏、クリーム、スプレーなどのタイプがある。それぞれに利点はあるが、一方で、水で流れやすく何回も塗り直す、はがした後の湿布がごみになるといったこともある。「そういった課題を解消できる外用剤ができないかというのが開発のスタートでした」と所長の岩倉泰一郎さんは言う。

研究の過程で、試験後の薬剤に膜ができていることを偶然発見。そのフィルムを再現できるよう試験を繰り返し完成したのが「フィルムスキンⓇ」だった。その特徴は「耐水性」と「持続性」。液状のフィルムスキンを皮膚に塗ると、数十秒で約30ミクロンの薄い膜ができ、水で流れることもない。軟膏やクリームの上から塗ると、保護機能で薬の効果が長時間続く。

このフィルムスキンは液状で保存できるため、他の薬剤と混ぜることでさまざまな製品に応用できる。開発された商品には虫よけスプレー、保湿剤クリーム、日焼け止めなどがあり、いずれも水や汗で流れにくく、1日に何度も塗り直す必要はない。1日の終わりに洗浄剤で洗うか、気になる時はクレンジングを使えば簡単におちる。

「外用剤の欠点を解消するフィルムスキン技術は、次世代の外用剤の形だと思います」と岩倉さん。技術が認められ、広く商品開発が進めば、工場や企業誘致につなげ地域貢献するのが目標だという。

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