くもり防止と鮮度保持を同時に実現

食品トレイ用フィルム「エコラップBSS-V2」 大倉工業

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2020.04.02

写真はイメージです

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食品包装にはさまざまな機能が求められる。例えば、密封性、遮光性、強度などで、中身の食品によって必要な機能は違う。大倉工業が開発した「エコラップBSS-V2」は、肉や総菜などをのせたトレイを包むラップフィルムで、「透明性」「ガスバリア性」「ヒートシール性」の3つを実現した。

透明性は、食品からの水蒸気でラップがくもることを防ぐ機能で、店頭に美しくディスプレイできる。ガスバリア性は気体が透過しにくい機能、ヒートシール性は、熱を加えて包装する際に幅広い温度領域でしっかり包装できる機能を指す。

「それぞれの機能を満たすフィルムを開発するのは、そこまで難しくありません。ただ、
ヒートシール性を追求するとくもり防止機能が発現しにくくなり、透明性が落ちてしまいます。それを同時に高い水準で実現した点が、芦原科学賞(注)を受賞したポイントです」と合成樹脂事業部パッケージングBU・杉原和則さんは言う。

エコラップBSS-V2は、薄いプラスチック樹脂膜が何層か重なって1枚のフィルムになっている。それぞれの層に、くもり防止、ガスバリア性、ヒートシール性などの機能を持たせて1枚にするが、どんな樹脂を使うか、各層をどの順番で重ねるかを試行錯誤した。

包装過程で、トレイ内の空気を抜いて静菌作用を持つ窒素などを充てんするが、高いバリア性のおかげでパック内に気体を保持し続けるため菌の増加を抑制する上、外からの酸素をブロックして酸化を防ぐので鮮度保持効果が長く持続。食品によって従来のおよそ2~7日消費期限が延長されたという。

「食品のロングライフ化で、今問題になっているフードロスの削減にも貢献したい。エコ意識の高まりから、今後このフィルムが主流になってくれれば」と期待を込める。
注=故・芦原義重氏(香川県名誉県民)からの寄附金を基金として、県内の産業技術の高度化及び産業の振興に寄与することを目的に、(公財)かがわ産業支援財団が実施している事業。優れた研究成果をあげた個人やグループを表彰している

大倉工業株式会社

住所
香川県丸亀市中津町1515番地
代表電話番号
TEL.0877・56・1111/FAX.0877・56・1230
設立
1947年7月11日
社員数
単独 1,042名、連結 1,935名(2022年12月31日現在)
事業内容
合成樹脂事業、新規材料事業、建材事業 他
資本金
86億1900万円
グループ会社
関西オークラ、関東オークラ、九州オークラ、オークラプロダクツ、オークラホテル、オークラハウス、ユニオン・グラビア、オークラプレカットシステム、オークラ情報システム、オー・エル・エス 他
地図
URL
https://www.okr-ind.co.jp/
確認日
2023.09.21

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