途絶えた技術を守り、新たな地域ブランドへ

凪わら帽子 株式会社島田

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2022.04.21

麦わらを組ひものように編んだ「麦稈真田(ばっかんさなだ)」は、麦わら帽子の材料。麦の産地である岡山や香川ではポピュラーな技術だったが、40年ほど前に途絶した。文献を頼りにそれを再興した株式会社島田は、麦稈真田を使ったストローハット「なぎわら帽子」をさきがけとして、新たな地域ブランド確立を目指している。

同社は1935年創業、大手のOEM・ODMを幅広く手掛けるとともに、BtoCでユニークなアップサイクル商品を提案する自社ブランドも立ち上げた。約90年はぐくんだ帽子づくりのノウハウを生かし、麦稈真田を「編む」技術の保全に注力。2021年に発表したなぎわら帽子は瀬戸内海の凪(なぎ)をイメージした命名で、香川で栽培しているはだか麦のわらと保多織の布を使い、染色や編みあげも中讃エリアで地元の人たちが行う「オール香川」の商品を目指した。

ブランド確立や編み手の育成に当たっては、(公財)かがわ産業支援財団の支援を活用。コロナ禍で中断しているが、消費者が自分で麦を編むワークショップなども実施しており、「価値を見出してくれる人たちに伝えたい」と同社の宝田和久代表取締役社長。「副産物である麦わらの活用はSDGsにもつながります。ライ麦を使えばもっと細い編み方も可能で、バリエーションも広がるはず。世界でも失われつつある技術を守り、広く発信していけたら」と意欲的だ。

【問い合わせ】
観音寺市豊浜町和田乙1876-1
TEL:0875-52-3783
http://shimada-inc.co.jp/

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