宿泊事業への投資 時代の潮流か

BK編集室

Special

2018.12.20

近年、香川県内でホテルの新規開店や改装、ゲストハウス・民泊施設オープンの話題を聞くことが少なくない。本業に加えて、新たに宿泊事業を手掛ける企業も多い。なぜ宿泊事業なのか。今年サービスを開始したあなぶきグループの民泊事業を担う新会社と、オープンしたばかりのWeBase 高松に話を聞いた。

あなぶきスペースシェア

アルファベッドの一例

アルファベッドの一例

今年2月、不動産などのあなぶきグループが、民泊事業を手掛ける新会社「あなぶきスペースシェア」を設立した。同グループが賃貸の管理をしているマンションの一室や一軒家を、オーナーから借り上げて内装をリフォーム。「Alphabed(アルファベッド)」のブランド名で、民泊施設として貸し出している。

アルファベッドの運営には、グループ会社で培った様々なノウハウを生かす。グループ内のホテルと同じアメニティを揃えているほか、宿泊客はAlphabedの最寄りのあなぶきグループのホテルでチェックイン手続きができる。ベッドメイクや清掃は、ハウスクリーニングの事業部門が手掛ける。自社運営のコールセンターが年中無休で稼働しているため、宿泊客は困ったことがあればすぐに問い合わせが可能だ。現在、香川県と広島県で50室のアルファベッドを運営中。今後は福岡県でもオープン予定だ。香川は、直行便がある韓国や中国、台湾などからの利用者が多い。JR香西駅前の部屋は、盆栽をテーマにコーディネート。駐車場もあるため、レンタカーで旅行する外国人観光客に人気だという。
生山 亨さん

生山 亨さん

民泊事業を担当する生山亨(いくやま こう)さんは「香川県でも訪日外国人観光客が増え、日によっては宿泊施設の予約が取れないということも。空き室・空き家を活用して、宿泊施設の不足を解消できたら。3年で600室設置することを目標にしています。グループ会社と連携したツアーなど、宿泊と体験型観光を合わせたプランも展開したい」と話す。

WeBase 高松

カフェスペース

カフェスペース

今年12月1日にオープンしたWeBase 高松。WeBaseは不動産開発の株式会社レーサム(東京都)が設立した宿泊施設運営会社だ。高松は鎌倉、博多、京都に続く4施設目となる。

1月に閉館した高松ワシントンホテルプラザをリノベーションして、2階がフロントとカフェスペース、3〜9階がホテル、10〜11階がホステルというつくりになっている。ホテルはシングル、ツインで256部屋、ホステルは108ベッドあり、ビジネスからレジャーまで多様なニーズに応える。
渡邉 幸雄さん

渡邉 幸雄さん

カフェスペースは宿泊客以外も利用可能。総支配人の渡邉幸雄さんは「ビジネスの商談や地域のイベント使ってほしい。宿泊施設だけでなく、地域住民のみなさんとご宿泊のお客様をつなげるコミュニティの場になれば」と話す。

「高松は東京から飛行機で1時間。松山、徳島、高知など四国内の移動もしやすい。外国への直行便が就航しているし、ビジネスやレジャーで四国の玄関口としての役割を果たしていると思います。温暖な気候で食べ物もおいしい。瀬戸内の魅力をここから発信していきたい」

WeBaseの入口には瀬戸内国際芸術祭でもおなじみの現代美術作家・ヤノベケンジさんの作品「SHIP'S CAT(Returns)」(シップス キャット リターンズ)を設置。大航海時代、船旅の守り神として大切にされたという猫をモチーフにした作品には、若者の旅を後押しする「出発」「希望」「誕生」という意味を込める。「来年開催の瀬戸内国際芸術祭のお客様にも、ぜひ泊まっていただきたいですね」

県内の投資は7.4倍 企業にメリットあるか

日本政策投資銀行四国支店の藤岡亜希子さんに、四国の宿泊施設の動向を聞いた。「全国的に訪日外国人観光客が増えていますが、弊行が実施したWebアンケート調査によると、四国を訪れるのはアジア圏の富裕層が過半を占め、日本を複数回訪れている人が多いことが分かっています。ですから、民泊やゲストハウス・ホステルなどに泊まって、ディープな日本を体験したいという人が多いのでは。弊行が8月に発表した「四国地域設備投資計画調査」によると、企業(サービス業と他業種を含む)のホテル関連の投資額について、2018年度計画は昨年度実績に比べて、四国地域が2.6倍、香川県が7.4倍となっています。宿泊事業への投資にメリットがあると考えている企業も多いのかもしれません」

宿泊事業を手掛けることで、企業が持つノウハウや施設が活用できるほか、本業との連携により宿泊サービスが向上する、新しいサービスが生まれるなどの効果が見込める。宿泊客が増えれば地域での消費も増える。定住人口が減少する中、空き家対策や交流人口の増加は多くの地方が抱える課題だろう。企業の新たなチャレンジに期待したい。

株式会社あなぶきスペースシェア

住所
香川県高松市紺屋町3-6 3階
代表電話番号
087-806-3089
設立
2018年2月1日
事業内容
住宅宿泊事業・簡易宿所の開発・運営・管理
シェアリング事業
資本金
70,000,000円
地図
URL
https://anabuki-spaceshare.co.jp/
確認日
2018.12.20

WeBase 高松

住所
香川県高松市瓦町1-2-3
代表電話番号
087-813-4411
設立
2018年12月1日
地図
URL
http://we-base.jp/takamatsu/
確認日
2018.12.20

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