
視覚支援みるみるカード(写真は今後発売予定のリニューアル版)
久保さんは大学で小学校教諭と幼稚園教諭の資格を取得。東京の福祉施設や小学校、特別支援学校などで働いた経験がある。2016年、夫の故郷である香川県に家族で引っ越してきた。
特別支援学校での勤務経験が親子教室を始めるきっかけになった。障害があって言葉を発するのが難しい子どもでも、ハンドサイン(手話)で意思表示できる。入学前の幼児期から、親子でサインを覚えられる教材があったらと考えるようになった。
「私の息子が言葉を覚えるのが遅く、1歳半健診と3歳児健診の時に『おうちで様子を見ましょう』と言われたことも、きっかけの一つになりました」。健診で何らかの障害があると診断されると、療育(子どもに合わせた治療と教育)を受けるという選択肢がある。だが「様子をみましょう」と言われた親子は、行き場がなくどうしたらいいのか分からない。
「療教育メソッド」は、言葉や生活習慣をイラストや音楽で楽しく学ぶことをテーマにしている。「視覚支援みるみるカード」を使って、言葉とハンドサインを覚える。カードは気持ち、数、色などの項目に分かれている。カードに合わせた音楽も作り、繰り返し見たり歌ったりすることで覚えていく。
サインを覚えられなくても、カードを出したり指さしたりすることで、自分の気持ちを伝えられるようになる子どももいるという。カードは教室のほか、「はないろSHOP」でも購入できる。
教室だけでなく家庭でも学習しやすいように動画も作成しており、順次、公開予定だ。今後は、カードの電子版も提供したいと考えている。電子版をスマートフォンなどにダウンロードすれば、外出先でも使える。
久保さんは「できなかったことができるようになると、子どもの目はキラキラと輝きます。療育と教育の制度のはざまで悩む親子の力になれたらうれしい」と話す。


「きもち」のカードの表面は言葉とイラスト。裏面はハンドサイン
はなはな*みかん
- 住所
- 香川県高松市鬼無町
- URL
- http://hanamikan.com/
- 確認日
- 2019.02.25
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