四国の玄関の性格 生かした駅づくり

JR高松駅長 宇野 恒生さん

Interview

2012.09.06

宇高連絡船が四国と本州を結んでいたころは、文字通り鉄道がつなぐ四国の表玄関だったJR高松駅。瀬戸大橋ができてからも、四国を代表するJRの駅であることは変わらない。6月1日付で駅長に就いた。

四国の鉄道の要(かなめ)を守る

5月まではJR四国本社の販売促進課長だった。販促課は今春、香川県とJR四国が結んだ観光パートナーシップ協定に合わせ、高松駅の愛称を「さぬき高松うどん駅」とするなど、観光客の誘致に県とともに取り組んでいる担当セクション。JR側の直接の責任者からの駅長転出だけに深い縁を感じている。次のポストは高松駅長、と決まった直後に開かれたJR6社の会議に集まった面々に「次は、うどん駅長ですか?」「うどん駅長さん、頑張ってください」と冷やかされもした。

愛称「さぬき高松うどん駅」でも力いっぱい努力するつもりだ。「JRとしても高松駅としても、これからいろいろトライします。四国に入る観光客やビジネス客の方々が四国に入るのも四国のなかを動くのもJR四国を使ってほしいですから」と営業意欲は旺盛だ。高松駅はJR四国の中でも図抜けて大きい駅。四国の鉄道網の、いわば扇の要でもある。

というのも高松駅は全国のJRの駅のなかで駅のレイアウト、構造そのものがユニークだ。「頭端駅(とうたんえき)」。すべての路線について起点であり終点であるような駅独特のホームの構造、レイアウトになっている駅の総称だ。JRの駅ではJR北海道の函館駅が頭端駅。首都圏や関西の私鉄のターミナル駅もそうだ。階段やエスカレーターを使わなくてもホームの端をつないでおくだけでホーム間の移動が同一平面で簡単にできる障害者や高齢者にもともと優しい駅なのだ。

人に優しい駅

特徴を生かし高松駅は、さらに駅の構内の段差を完全になくし、自動改札機の幅を広げ、車いすに乗ったままでもスムーズに買えるよう券売機の高さを低めるなどの工夫をしてバリアフリー推進ネットワークの「交通バリアフリー優秀大賞」を受賞している。「誇れるものは、うどんだけではないのです」と高松駅のよさを話す。

自らを「無趣味の人間」と定義する。ゴルフをすれば、ボールがどこへ飛ぶかわからない。「ゴルフのほうから君はゴルフに向いていない、といわれたような気がして、やめました」。釣りもしてみた。釣果はさっぱりだった。「釣れないから、やめました」。パチンコもしてみた。しばらくは、勝つときもあり負けるときもあったが、あるとき13連敗した。

「パチンコの台に、君はパチンコには向いていない、といわれたのです」

宇野 恒生 | うの こうせい

略歴
1955年 11月10日 愛媛県松山市生まれ
1978年 3月 松山商科大学(現・松山大学)
      経営学部卒業
1978年 4月 旧国鉄入社
1987年 4月 JR四国営業部販売課
2002年 5月 ワープ高松支店長
2004年 6月 営業部商品企画課長
2005年 4月 松山駅長
2006年 4月 愛媛企画部長
2010年 6月 営業部販売促進課長
2012年 6月 高松駅長

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