始まりは小学生時代
雲林院さんが鉄道切符に興味を持ち始めたのは、小学生低学年の頃。「知り合いの人がたくさん切符を持っていたんですよ。見せてもらった切符に印刷された日本各地の地名を見て、気持ちが動いた・・・・・・」。見たことも聞いたこともない地名に思わず想像力がかき立てられ、どんなところだろう、電車で行ってみたいな。切符にがぜん興味が出た。もともと幼少期から乗り物好きで、「父親の出張みやげにも車のおもちゃを願ってましたから」と雲林院さん。
小学4年のとき、生まれ育った三重県から、父親の転勤で横浜市へ転居したことも、鉄道好きに拍車をかけた。「横浜市内の社宅は、東海道新幹線の新横浜駅の手前にあって、社宅の目の前には新幹線と東横線がクロスしてたんですよ。田舎から出てきて、毎日電車を見ることがとても珍しかったんです。今で言うならトレインビュー。とにかく理屈抜きで、電車は見るのも乗るのも好きでした」。東京から横浜までのブルートレインの切符を買って、わずか30分の旅を楽しんだこともある。「九州までは行けないから、小学生の小遣いで買える範囲でね」
電車好きな少年は、時刻表にも興味を示すようになる。毎月購入し眠る前に読みふけった。友だちと一緒に時刻表作りに熱中したのもこの頃だ。「自分の家を『雲林院駅』、近くの地名も駅にして、オリジナル時刻表を作りましたね」
切符から蘇るのは、その時の風景
雲林院さんは、硬券の特急券や急行券、乗車券、入場券はもちろん、軟券の車内補充券、定期券、旧型マルス端末券(みどりの窓口で販売している座席指定券)などもコレクションしている。「どの切符を見ても、それぞれの思い出があるんですよ。これは小学生時代に祖父母が住んでいた三重県に海水浴に行ったときのだなとか、これは会社の慰安旅行で信州に行ったときのだなとか。手に取ると、さまざまな思い出が蘇るんですよ」。駅ごとに型の違うハサミが入った山手線の切符や、斜めにカットされた小児券。手書きの座席指定特急券を見ると、当時の切符の購入方法なども懐かしく思い出せる。「だからね、捨てられないんですよ」
雲林院 康 | うんりんいん やすし
- 略歴
- 1957年 12月16日 三重県生まれ
1981年 3月 早稲田大学教育学部 卒業
1981年 4月 大日本印刷株式会社 入社
1981年 6月 商印事業部配属(東京)
1995年 4月 同事業部営業課長
2001年 4月 同事業部営業部長
2003年 4月 同事業部営業本部長
2004年 10月 四国事業部営業本部長
2005年 10月 株式会社DNP西日本執行役員
営業本部長
2010年 6月 同取締役執行役員営業本部長
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