単独行で目指す山頂。登山は自分との対話ができる貴重な時間

全日本空輸高松支店長 門田 展明さん

Interview

2009.04.16

ここしばらく山登りが人気だ。普段の生活では見ることのできない雄大な風景や珍しい草花、山でしか味わえない充実感を求め、多くの人がそれぞれの体力や経験に合わせて、山頂を目指している。

山に興味を持たせた、乗鞍岳の青い空

全日本空輸高松支店長の門田展明さんも、山に魅せられた一人。「といっても、僕が山登りを始めたのは社会人になってから。30歳過ぎてからですよ」。きっかけは、結婚前に、後に妻となる裕子さんと一緒に出かけた乗鞍岳だった。「観光バスで行ったのですが、2時間ほどの自由時間にその辺を歩いてみたら、空が真っ青で天気が良くてとても気持ちがいい。こんなにいいところがあるんだなあ、山はいいなあと自分の中のスイッチが入ったんです」

それからというもの、週末には近場の六甲山を登って体を慣らし(「ハイキングのようなものですが」)、登山の知識は専門書を熟読して(「自分のペースで習得するのが好きだから」)、独学で登山技術を習得した。また、山岳小説にも興味を持ち、「新田次郎著の『孤高の人』はもちろん、女性登山家シリーズなど、山関係の書籍を探しては読みましたね」。

主体的に取り組むからこそ、登山が楽しくなる

門田さんの山登りスタイルは単独行。食料や食器、燃料にテントなどを詰めたザックを背負い、マイペースで山頂を目指す。これまでに登った山は延べ100山を数える。中でも日本アルプスや穂高連峰が好きだという。
山中をもくもくと歩くとき、いろんなことを考える。「仕事のことや家族のこと、自分の今までやこれからのこと。山歩きは、自分との対話ができる有意義な時間をもたらせてくれるんです」。美しい景色に出合う喜びもある。夏の空の満点の星、流れ星や人工衛星の動き、雲海など。「特に太陽が沈むときの色の美しさといったら・・・・・・! 変化していく空の色を見ながら、持参したウイスキーをゆっくりと飲む。至福のときですね」。

しかし山には危険も潜む。「1人だからこそ、余計に気をつけるようになるし、慎重になる。自分に跳ね返ってくるので、決して無理をしなくなりますね」。自己を管理し、自分から物事にじっくりと関わる。様々な想定に対して動けるようになるなど、危機管理に対する意識が高くなる。
門田さんは、年代とともに山登りの目的や内容が変わってきたことを感じている。「若いときは高くて険しい山を征服したい気持ちが強い。徐々に山との会話を楽しむようになり、最近は健康増進を考えて、低山もいいなと思えるようになりました」。

ここ1年ほどは多忙で山に出かける機会を得ていないが、プランはある。「四国なら石鎚山や剣山もありますしね。そしていつか屋久島に登りたい。ぜひ実現したいですね」。
山への思いは熱いままだ。

門田 展明 | かどた ひろあき

略歴
1955年 12月6日生まれ
1978年 入社
1993年 大阪支店代理店販売課長
1996年 東京支店国際販売課長
1999年 広島支店長
2003年 北九州支店長
2008年 高松支店長
写真
門田 展明 | かどた ひろあき

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