レールなき道を進む つまずきながら、楽しみながら―

AIU保険会社 四国営業本部長兼高松支店長 刈谷 有希子さん

Interview

2011.11.03

去年12月に高松に赴任した刈谷有希子さん。刈谷さんはAIU保険会社初めての女性支店長だ。

「こうなるとは予想もしていなかったですね。まさに想定外の人生です(笑)」

想定外(?)の人生

高知出身の刈谷さん。元々は事務職の地元採用でAIU高知支店に入社した。しかし2004年、人生が〝変わった〟。会社の組織変更に伴い、支店によっては社員を置かずに契約スタッフやアルバイトで業務を賄っていくことになった。アルバイトとして仕事を続けるか、もしくは退職するか・・・「正直、『もう辞めようかな』とも思っていました。結婚もしていましたし・・・。でも、当時の高松支店長が『こっちに来ないか?』って声をかけてくれたんです」。まさに青天の霹靂だった。刈谷さんは意を決して事務職から総合職へ転向した。「できるかどうか分からなかったんですが・・・でも、こんなチャンスは二度とないだろうなって思ったんですよね」

仕事内容はがらりと変わった。四国営業本部(高松支店)では社内コンプライアンスを担当。高知支店では営業まわりもした。「苦労も多いですが、以前のままでは味わえなかった貴重な経験をさせてもらっています」

最も大きな変化―それは、様々な人と出会う機会が増えたこと。仕事柄、特に多いのが企業の経営者だ。「香川では特に、うどんやしょう油、手袋やうちわなど独特の産業が多いので、会社の成り立ちや経緯、何もないところから事業を広げていったアイデアなどを聞くと、とても勉強になりますね。イノベーティブなことをされてきたんだろうなぁと、感心することばかりです」

毎日届く高知からのエール

刈谷さんの自宅は高知県にある。結婚して13年。ご主人は高知で会社を営んでいる。つまり・・・刈谷さんは単身赴任中だ。ご主人の、仕事への理解があるからこそ今の刈谷さんがある、といっても決して過言ではない。

「だんなさまには本当に感謝しています。今でも毎日電話は欠かしませんね。同僚からは『家庭の顔と仕事の顔が全然違う』ってよく言われるんですよね」

そのご主人と、毎年楽しみにしていることがある。2人は生粋の土佐っ子。と言えば・・・8月の「よさこい祭り」だ。「完全に〝非日常〟ですね。すっかりはまってます・・・」

今年も完全燃焼しました!

刈谷さんが所属するのは1回目の祭りから出場している老舗チーム「帯屋町筋」。150人の大所帯で、6月の終わりから毎日練習を積んで本番に臨む。しかし、高松暮らしの刈谷さんは今年はほとんど練習に出られなかった。でも─「マンションでDVDを見て一人で練習しました」

本番は3日間、昼から夜まで一心不乱に踊る。「一生懸命練習して、みんなで一緒に頑張る。その一体感、達成感がたまらないんですよね」。全国から191チームが参加した今年のよさこい祭り。「帯屋町筋」は見事、「地区競演場連合会奨励賞」を受賞したそうだ。「年に一度の花火みたいなものですね。ストレス解消にもなりますし。私、十二指腸潰瘍もよさこいで治したんですよ(笑)」

道を切り拓いて

「細かい話をすれば、会社にスカートをはいて行っていいの?ネイルアートはどこまでOKなの?とか、女性特有の、こういう時どうすればいいの?っていうのはありますね」。前例のない、社内に〝見本〟がいない女性支店長という職。悩むこともあれば、時にはつまずくこともある。しかしそんな時、刈谷さんはこう考えることにしている。接するお客さんはどう思っているんだろう。私はお客さんにどう思ってほしいんだろう―

「プレッシャーに感じることなく、楽しくやっていけてると思います。つまずいて答えがすぐに出せなかったら周りに迷惑をかけてしまうので、『こうだ!』と決めたら突き進んでいく。それはいつも強く意識していますね」

刈谷 有希子 | かりや ゆきこ

略歴
1971年10月8日 高知県生まれ
1994年 3月 高知女子大学文学部卒業
1995年 2月 AIU保険会社入社 高知支店勤務
1997年12月 退職
1998年 3月 NHK高知放送局
      契約スタッフとして報道部勤務
2000年 5月 退職
2000年 6月 AIU保険会社入社 高知支店勤務
2004年12月 四国営業本部 業務スペシャリスト
2007年12月 高知支店 支店長
2010年12月 四国営業本部長兼高松支店長

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