
新しい自分を発見したい~ボートとの出会い

新しい自分を発見したくて入部したボート部だが、入部とともにハードな練習が始まる。それはサッカーのキーパーとは明らかに運動量が違っていた。「ボートを漕ぐという動作から、腕だけに目がいきがちですが、上半身だけでは持ちません。上半身3、下半身7の割合での強化が必要でしたね」。オールを使って水を漕ぐが、シートがスライドするので足も動き、当然全身を使うことになる。下半身の強化はもちろん、腹筋、背筋なども必要だ。「スタートダッシュの瞬発力と漕ぎ続ける持久力。陸上の400m走のスピードでマラソンを走る感覚ですかねえ」。3月から11月までの水上練習のシーズンを終えても、陸上での練習が待っている。「黙々とやりましたよ。傍目には陸上部かウエイトリフティング部に見えていたはずです」と、佐々木さんは当時の練習風景を目に浮かべる。
自分で決めたゴールから逆算して、何をすべきかを考える
技術は代々引き継いだものを先輩から学び、自分自身でも勉強した。強いチームを分析し、その試合結果を見て練習方法を考えた。勝つためにはどうすればいいのか・・・・・・。自分たちで目標=ゴールを定め、そのゴールから逆算して練習メニューを立てた。受け身ではなく、すべてが自主的だった。「でもね、自分たちで作った練習メニューをこなすのはきつかったですねえ。でもやらなければならない。上からやれと言われてするのは簡単ですが、目標に向かい具体的に何をするのかを自分で決めて実践することはとても難しい。この経験は大きかったですね」。また佐々木さんは大学3年のとき、体育会系サークルのまとめ役となり、代表して大学側との予算折衝なども行っている。
豊富な経験が、人生を豊かにする
振り返るとボート部での経験は、人生に大きな影響を与えていると佐々木さんは感じている。「それなりに逆境もありましたが、ボートでの苦しみを思えば、なんてことはないと思えますね。とことん追求したからこそ、自分の中にはこれだけはあるとしっかりと言える。ボート部は人数も少なくて金もない。でも目標を立ててがんばった。あの4年間が、自ずと考え方やマネジメントの素地を養えてくれたように思いますね」
佐々木 台行 | ささき たかゆき
- 略歴
- 1959年 5月20日 香川県坂出市生まれ
大学まで実家で生活する
1983年 3月 香川大学経済学部卒業
1983年 4月 アサヒビール株式会社入社
大阪、奈良、神戸、群馬、横浜、
千葉、東京の各エリアで現場の
営業職を担当
2009年 9月 高松支社長
入社26年ぶりで初めて故郷での
仕事をすることに
家族は5人(妻と娘3人の女系家族で
肩身が狭い:本人談)、自宅は千葉市 - 写真
おすすめ記事
-
2012.04.05
「島」が持つ可能性 イノベーションを生み出したい
香川大学大学院 地域マネジメント研究科 研究科長 教授 板倉 宏昭さん
-
2010.09.16
マンションの価値を守る管理、その為の「人財づくり」が必要です
穴吹ハウジングサービス 専務取締役 新宮 章弘さん
-
2011.11.17
なでしこ社長の家族的チームワーク ~アナログとデジタル経営の融合~
高松産業 代表取締役社長 河邊 育子さん
-
2025.02.06
新たなソリューション提案で
地域の連携と発展に貢献したい三菱電機 受配電システム製作所 所長 吉田 大輔さん
-
2025.01.03
「外から見る日本」を知る
若者たちに期待したい独立行政法人日本貿易振興機構 地域統括センター長(四国)・香川貿易情報センター所長 水田 賢治さん
-
2024.12.19
香川の農林水産業に寄り添い
挑戦を支えるパートナーに日本政策金融公庫 高松支店 農林水産事業統轄 山浦 泰さん
-
2024.10.17
令和の四国から
新しい時代が始まる予感西日本高速道路 執行役員・四国支社長 後藤 由成さん
-
2024.10.03
モットーは「凡事徹底」
地域の元気を支えたい!中国銀行 執行役員・四国地区本部長 吉田 秀樹さん
-
2024.09.05
多角的な視野を生かし
四国の治水を支えたい水資源機構 関西・吉野川支社 吉野川本部 本部長 津久井 正明さん
-
2024.08.15
仕事の枠を超えていけ!
自由な視座が支えたキャリア三菱電機 四国支社支社長 木ノ下 英則さん
-
2024.06.20
日本を変える鍵を握るのは
自由でトガった若者たち香川高等専門学校 校長 荒木 信夫さん