好奇心や興味の幅を広げてくれた 小唄との出会い

日本たばこ産業 四国支店長 芥川 善男さん

Interview

2008.09.04

歌といえばカラオケというのがサラリーマン世界の定番だが、芥川善男さんの場合は少し違う。小唄なのである。ここ2年は都合がつく限り、月1回のペースで金沢まで稽古に通っているという。

強引に連れて行かれて・・・

小唄との出会いは、2年半住んだ前任地の金沢支店時代。「せっかく来られたのだから、なにか習いごとを・・・」とすすめられ、知り合いの建設会社の支店長に半ば強引に連れていかれたのが、のちに芥川さんの先生になる花菱は満朝さんのところだった。「最初は全く知らない世界。違和感というか、僕にできるかなという気持ちが強かったですよ」。

稽古は初めてづくし

古典芸能での稽古は1対1の口伝で行うことが多い。「小唄もそうです。稽古では、先生が歌ったひと節ずつ、僕も続けて歌う。先生が歌っているときは、全神経を傾けてそれを聴きます」。決まった譜面はなく、先生が書いてくれた歌詞に音の高低や節回しを耳で聞き取って書き付ける。発声方法は「息を吸い込むようにしながら、喉をしぼって声を出す独特な感じ」で、それまで慣れ親しんできた喉を広げて熱唱するカラオケとは全く別のものだ。すべてが初めてだったが、何度か稽古を付けてもらううちに、「はまってしまったんですね~」。
先生の手本を録音し、時間を見つけては練習を重ねた。年2回の発表会にも積極的に参加し、技を磨いた。

伝統芸能への興味

加賀百万石の城下町・金沢は、歴代の藩主が文化事業を奨励したことから現在も伝統文化が息づいている土地だ。芸能の分野でも、加賀宝生の能楽や、日本舞踊や素囃子など、高い技能を持つ人が多い。現在も茶屋街が3カ所あり、お茶屋遊びもできる芸どころだ。「北島三郎の歌『加賀の女』の歌詞〜謡曲(うた)がふるふる 加賀宝生の…の一節の通り、金沢では小唄や長唄、謡、和楽器などの芸能が特別な感じではなく存在しているんですよね」。小唄がきっかけで邦楽にふれる機会が増え、伝統芸能全体に興味を持つようになったという。
小唄の世界は粋という魅力とともに、新しい自分を発見する機会となった。「精神的なゆとりができたことが、毎日の生活にもいい影響を与えてくれていると思いますよ」。
9月21日(日)には発表会に参加するため金沢へ駆けつける。緊張もするが、至福のときである。

小唄とは・・・

端唄から派生した俗謡で、一般には江戸小唄とされる端唄の略称。三味線をつま弾きながら歌う。演奏時間はおよそ1分半から3分程度で、現在200曲程度が歌われている。

芥川 善男 | あくたがわ よしお

略歴
1955年 3月 大阪府生まれ
1977年 3月 立命館大学法学部卒業
1977年 4月 日本専売公社関西支社入社
     (1985年会社化され、日本たばこ産業株式会社に
      組織変更)
2001年 4月 大阪北営業所長
2003年10月 大阪支店企画部長
2005年 7月 金沢支店長
2008年 1月 四国支店長
写真
芥川 善男 | あくたがわ よしお

日本たばこ産業株式会社

確認日
2014.02.06

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