呉服店から総合衣料店へ
大手との差別化は
「まず、絶対単価の安さ、です」。商品を比較して安い方を買い求めるというのではなく、商品固有の価格=「この値段でなければ買わないと思う値段」を設定し提供すること。「いいものが欲しいけれど、他に買わないといけないものもある。思っていたものとは違うが安いものの方がいい」。値段を安く設定するなら、大手に比べて粗利を低く抑えられる小売店に分がある。
次にパワーアイテムを持つこと。「単品突破ですね」。個性のある商品を持つ。ヨネザワでいえば、99円の靴下がそれだ。常備3000足という。「全商品では勝てなくても、何か突出している商品をクローズアップさせること。99円の靴下は、仕入れを工夫して質のよい品を提供しています。自慢できる品ぞろえですよ。負けません」
そして、全国の同じ立場の中小の総合衣料品店が手を組んで商品を仕入れたり、オリジナル商品を開発することだ。1店のみではメーカーとの取り引きが難しくても、多数であれば話は違ってくる。全国の小売店のうち270社が加盟している株式会社全国小売業連合という組織との取り引きなら、よりスムーズに進む。「昨年からヨネザワで既に発売している女性用下着もそう。値段を低く設定でき、よく売れています」と高畑さん。この夏には加盟店の何店かで協力して、199円の女性用インナー、タンクトップ、半袖Tシャツに、男性用の半袖Tシャツを商品化する。良質の綿産地である中国新疆地域にも近いバングラデシュで製品化したものだ。「絶対単価の安さを打ち出せます。苦戦はするかもしれませんが、やっていけると思っています」と期待を込める。
地域とともにある店が理想・・・・・・
高畑さんは、規模の大小かかわらず同種の店舗の見学会にも積極的に参加している。「店は外から見ただけでは分からない。目に見えないシステムが知りたい。トップと話す機会がある勉強会は情報交換の場になるんです」
基本的な価格に対しての訴求は続ける、年代層も絞り込む、ヨネザワならではの商品展開をしていくなど、今後の課題ははっきりしている。そして理想は地域と一緒に生きていける店にすること。「地域のためには、どんな小さな店でも残っていかなくてはならないと思っています。衣料品店も食料品店も同じこと。そのためにももっと認知度をあげていく。まだまだがんばります」
高畑 保
株式会社ヨネザワ
- 住所
- 香川県高松市香西本町109-2
- 代表電話番号
- 087-881-2248
- 設立
- 1831年
- 社員数
- 21人
- 事業内容
- 総合衣料品小売
- 沿革
- 1831(天保2)年 丹後屋米澤商店 創業
高松市香西本町531に創立
1953年 5月 有限会社米澤呉服店として法人登記
1990年10月 有限会社ヨネザワに名称変更
代表取締役に高畑 保就任
1995年 8月 資本金1000万円に増資
1995年12月 株式会社ヨネザワに組織変更
1998年 4月 本店を移転新築オープン
2001年 6月 木太町に支店オープン
旧本舗においてデリバリー業務開始 - 資本金
- 1000万円
- 地図
- 確認日
- 2009.07.02
おすすめ記事
-
2019.03.21
「考える縫製」で世界を狙う
川北縫製 代表取締役 川北繁伸さん
-
2014.11.20
シンプル、便利、美しい革製品
ヴィンテージ リバイバル プロダクションズ 代表 塩田 裕基さん
-
2023.06.14
体験型店舗が空港通りにオープン
Shimadaya plus(シマダヤプラス)高松店
-
2019.04.04
昔ながらの「手甲(てっこう)」を現代版UV対策商品に
わがまま女優のUVセット 福崎手袋
-
2008.12.04
人より少し早く、値段を超える“ねうち”を見つける
アイアイ イスズホールディングス 代表取締役 飯間 康行さん
-
2009.10.01
あこがれとコンプレックス、笑顔が夢をかなえた
エヌ・ディー・シー・ジャパン 代表取締役社長 石井 浩一さん
-
2010.05.20
「問屋無用論」返上!
小売店と共に、日本一の地方問屋に中商事 代表取締役社長 中 博史さん
-
2023.07.06
地域の手でまちを元気に!
まるがめ世話やき隊 代表 紀伊 孝彦さん
-
2023.06.15
自分もまわりの人も“ワクワク”することを
株式会社たまり 代表取締役 山内 麻由さん
-
2023.06.01
地方に根差し課題を解決したい
株式会社D-yorozu CEO 柏原 悠人さん CTO 山田 斉さん
-
2023.05.04
甘えをいましめる「至誠通天」
アリスプラン 代表取締役 中村 真徳さん