新設法人2,453社、前年比35社減

2018年四国地区新設法人動向調査 東京商工リサーチ

Research

2019.06.20

2018年に全国で新しく設立された法人(以下、新設法人)は12万8,610社(前年比2.7%減)で、09年以来9年ぶりに前年を下回った。四国地区では2,453社の法人が新しく設立されたが、前年比1.4%減で、全国同様に前年を下回る結果となった。
※本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(対象345万社)から、18年(1~12月)に新しく設立された法人を抽出し、分析した。

卸売業のマイナス目立つ

産業別では、例年通り「サービス業他」が1,069社と最も多く設立されたが、設立数は前年1,088社から19社減った(前年比1.7%減)。「建設業」364社、「不動産業」232社、「小売業」210社、「製造業」178社と続く。10産業のうち6産業で前年より多い法人が設立されたが、設立件数が減った4業種の中では「卸売業」の減少が目立った。前年(89社)より30社少ない59社に留まっており、産業構造の変化が窺われる結果となった。

香川 前年比マイナス

四国の県別新設法人数は、徳島と高知がそれぞれ前年比プラスの増加率だった。昨年まで2年連続で前年比マイナスだった徳島が増加に転じ、高知は2年連続で前年比増となった。一方、2年連続で前年比プラスの増加率だった愛媛は一転して前年比マイナスに転じ、香川も前年比マイナスだった。

全国 8地区で減少

全国では、9地区のうち北陸を除く8地区で前年を下回った。減少率トップは、東北の前年比12.9%減(5,228社→4,549社)。東日本大震災以降、震災復興に向けて新設法人が増加をたどっていたが、17年に減少に転じ、18年はさらに減少幅が大きく広がった。次いで、中国の同5.0%減、九州の同4.5%減と続く。
都道府県別では、東京が4万926社(構成比31.8%)で最多。最も少なかったのは島根の309社だった。
現状の低迷する開業率引き上げには、制度改正や公的な補助金などのサポートは無論必要であり、企業の「新陳代謝」が企業の自律的な動きを伴うためには、地域経済の強化は避けて通れないだろう。
これには地方創生を含む経済環境の改善が必要である。18年の1年間で四国地区には2,453の法人が新たに設立されたが、産声を上げた法人が順調に成長していけるような土台を官民が一体となって整えていかなければならない。

東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長 立花 正伸

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