子どもの進路が地域の未来を決める

column

2019.11.21

日本では現在1年で約40万人(高松市相当)が減少し、このまま人口減少が進めば、20年後の2040年頃には1年で約90万人(香川県相当)が減少すると予想されています。

人口減少の最大の要因は東京一極集中です。地方から人口が一気に流出するのは大学へ進学する時です。東京一極集中は、地方から若者を引き寄せ、地方から仕送りのお金を吸い上げて地方を衰退に導いています。卒業後は東京圏に就職することが多いため、地方の人口減少が拡大します。一方、東京圏では地方と比べ婚姻率、出生率ともに低く、少子高齢化の一因になっています。

もし、すべての親と高校が、東京圏の偏差値の高い有名大学に入学させようと立身出世を目的にした教育を行えば、地方は滅びます。首都直下型地震やスーパー台風による被害を想定すれば東京一極集中は致命的です。

私は、坂出市まち・ひと・しごと第2期総合戦略策定に向けて、「人口減少は高校生の進路問題」との仮説を立て、「高校生に、坂出市を住み続けたい場所にするにはどうしたらいいのか、進学等でいったん離れても帰ってきたい場所にするにはどうしたらよいのか」を提案するワークショップを開催してもらいました。高校生と高校の教育関係者だけでなくそのご家族、広くは市民に「子どもの進路が地域の未来を決める」重要性を知ってもらいたいからです。

では、進学先・就職先を東京圏に求めない子どもをどう育てるのか?それは、受験勉強に必須の普遍的な価値だけではなく、地域の価値を身につけてもらうことだと考えています。地域には宝石となるような原石が埋まっており、それを発掘して誇りになるよう磨き上げる教育が地方を救うのではないでしょうか?

現在活動している「讃岐ジオパーク構想」の背景には、そういう思いがあります。サヌカイト(讃岐岩)の世界的な価値を基に、香川県全域がユネスコ世界ジオパークに認定されることを目指しています。大地の成り立ちから讃岐と備讃瀬戸の世界的価値に気付き、郷土に誇りを持つ人づくりをしたいと思っています。

香川大学創造工学部 教授 長谷川 修一

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香川大学創造工学部 教授 長谷川 修一

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