モダンデザインが結ぶ暮らしの夢展

桜製作所 社長 永見 宏介

column

2020.03.05

写真左:イサム・ノグチ《あかり33S(BB3スタンド)》1952年頃、飛騨・世界生活文化センター蔵 写真右:ジョージ・ナカシマ《コノイドチェア》1960(1992)年、武蔵野美術大学 美術館・図書館蔵

写真左:イサム・ノグチ《あかり33S(BB3スタンド)》1952年頃、飛騨・世界生活文化センター蔵
写真右:ジョージ・ナカシマ《コノイドチェア》1960(1992)年、武蔵野美術大学 美術館・図書館蔵

東京・汐留にあるパナソニック汐留美術館で3月22日まで開催されている展覧会(3月15日まで臨時休館)は、ミッドセンチュリーといわれる1930年代から60年代頃に活躍したデザイナーに焦点を当てた企画展です。ヒトラー率いるナチスドイツを嫌い来日した建築家ブルーノ・タウトと、帝国ホテルを設計するためにフランク・ロイド・ライトと共に来日したチェコ人の建築家・アントニン&ノエミ・レーモンド。二人は日本人の気づかなかった「建築」の在り方を日本建築の中に見出し、その後の日本建築界に多大な影響を遺しました。

タウトは仙台の商工省工芸指導所で剣持勇を指導し工芸品の開発をします。そして剣持勇は香川県庁のインテリアに素晴らしい作品をデザインしました。一方でレーモンド夫妻を支援した実業家・井上房一郎は銀座に「ミラテス」という工芸店を出店し、これらの工芸品を紹介して販売しました。レーモンド建築事務所で建築家・前川國男や吉村順三と共に学んだジョージ・ナカシマはその後、家具作家としてアメリカで功績を残します。同時代に共に日系アメリカ人だったイサム・ノグチは、来日して和紙の照明という造形をつくりました。

彼らの関わった工芸品、家具、建築図面、模型、写真などの多彩な資料を通して、この時代の暮らしや風土から生まれたモダンデザインを感じることができる有意義な展覧会です。奇しくもこの時代を築いた先人の多くが、この香川の地にも確かな足跡を遺していることは、稀有な出来事だったと感心します。

丹下健三の代表作である香川県庁舎の耐震改修工事も無事終わり、こうした素晴らしい遺産の数々がまた後世に永く受け継がれることは、県民のひとりとして悦ばしく思います。

永見 宏介 | ながみ こうすけ

1959年 高松市生まれ
1982年 香川大学経済学部卒業
1983年 流スタジオに勤務(87年まで)
1987年 株式会社桜製作所 入社
1996年 代表取締役社長 就任
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永見 宏介 | ながみ こうすけ

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