
タイム・アンド・スペース
当時はプロペラ機で、羽田や伊丹から高松・林空港に降りる際、瀬戸内海の上空を低くゆっくり飛んできて、周囲の景色もよく見えました。
時折雨・霧などで欠航し、ニューヨークから来るには、連絡船も長い時間でした。
ノグチ先生は風のように現れ、四国の寄寓の地に灯りをともすように、住居として丸亀から入江邸を移築し、石積による円形のアトリエを作りましたが、与えられた牟礼の地を生かし、聖地として、周囲の環境が良くなることも願っていました。

イサム・ノグチ庭園美術館
建築家バックミンスター・フラーは、イサムは20世紀の初め、飛行機と共に生まれ育ったと書きました。空に興味を抱き、リンドバーグに憧れていたノグチは、パリで迎える奇縁を持ち、世界を旅し、各地に幸を届けたのです。
ハワイでリンドバーグの愛した地に立たれたイサム・ノグチは、人生の最期に新高松空港開港を迎え、世界への窓が開かれたプレゼントとなりました。
「20世紀の総合芸術家 イサム・ノグチ-彫刻から身体・庭へ-」展
【ところ】香川県立ミュージアム(高松市玉藻町5-5)
【入場料】一般1000円、高校生以下・65歳以上・身体障害者手帳等をお持ちの方無料
公益財団法人イサム・ノグチ日本財団理事長 和泉 正敏
- 略歴
- 1938年 牟礼町久通に生まれる
1953年 石の仕事を始める
1964年 「石のアトリエ」を設立
イサム・ノグチと出会い、
以後25年間石彫制作に協力
1969年 シアトル美術館 彫刻「黒い太陽」*
1974年 最高裁判所 彫刻「噴水」*
1984年 土門拳記念館 中庭*
1987年 メトロポリタン美術館 彫刻
「つくばい」*
1989年 高松空港モニュメント 彫刻
「タイム&スペース」*
1991年 カナダ大使館、丸亀市猪熊弦一郎現代
美術館
1992年 札幌 彫刻「ブラックスライドマントラ」*、
郡山市立美術館
1993年 播磨先端科学技術センター
1994年 東京都現代美術館、京都コンサートホール
1995年~ ジャポネクスピア9(サンフランシスコ)にて
ギャラリー展を開催
豊田市美術館
1996年 東京オペラシティ、札幌モエレ沼公園
「プレイマウンテン」*
1997年 新国立劇場
国営讃岐まんのう公園・昇竜の滝
2003年 ジャポネクスピア9(サンフランシスコ)にて
4回目の特別展オープニング
2005年 京都迎賓館 大滝石工事
2007~08年 サラトガ
台湾・国立故宮博物院 前庭石彫「無為・無不為」
2009年 東京・経団連会館、観音寺市斎場
*印は、イサム・ノグチの作品 - 写真
公益財団法人イサム・ノグチ日本財団理事長 和泉 正敏
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