災害に強い金属製屋根材

アドバンス 川上板金工業所

Topic

2020.03.19

「アドバンス」施工イメージ

「アドバンス」施工イメージ

川上板金工業所は、金属製屋根材の開発・設計・製造・施工まで一貫体制で手掛ける。台風災害に強い屋根材を作りたいとの思いから開発し、2011年に発売した「クローザールーフ」はブラッシュアップを続け、シリーズ化。その最終章と銘打ったのが17年発売の「アドバンス」だ。

金属製の屋根は通常、屋根材の端の凸凹をかみ合わせてふいていく。同社は屋根材を固定・強化する金具を独自に開発。下から吹き上げる風に強いクローザールーフが誕生した。

アドバンスはさらに形状を工夫することで、クローザールーフに比べて、使用する金属の量は少ないが強度は高く、コスト削減に成功。雪や太陽光パネルなどによる重み(正荷重)、吹き上げる風など下からの力(負荷重)のどちらにも強い。

今年1月には、アドバンスと防水効果のある接着剤「ホットメルト」を組み合わせた商品も発売。これまでは西日本の物流倉庫や商業施設の施工が多かったが、新商品は北海道や東北など雪国でも需要があると見込んでいる。

代表取締役の川上正城さんは「クローザールーフの発売から10年。シリーズで延べ100万㎡の実績がありますが、風で飛ばされたなどの報告は受けていません。多くのお客様にご支持いただいていますね」と話す。 
○部分をかみ合わせて屋根をふく

○部分をかみ合わせて屋根をふく

同社は今年2月、2つの賞を受賞した。技術開発成果が優秀で、他への波及効果や社会的課題解決への寄与が期待できるとして、クローザーシリーズの開発が「四国産業技術大賞」の最優秀技術功績賞を受賞。独自性のある商品を多く生み出していることや、地域貢献度が高いことなどから「四国でいちばん大切にしたい会社大賞」の奨励賞を受賞した。

「人とモノの両方が評価されたことは、とてもうれしい。お客様や地域への貢献も大切に考えていますが、社員と社員の家族が喜んでくれることが、仕事のやりがいにつながります」と川上さん。

災害に強い製品を作るだけでなく、BCP(事業継続計画)を策定し、有事に備える。災害発生時には地域住民に琴平町内の事務所を開放したり、太陽光発電でポンプを動かして地下水をくみ上げ、生活用水として使ってもらったりすることを想定している。

株式会社川上板金工業所

住所
香川県まんのう町四条858-1
代表電話番号
0877-75-5156
社員数
55人(協力業者25社・120人)
事業の概要
金属製屋根工事業・設計・製造・販売・施工
地図
URL
http://www.kawakamibankin.co.jp/index.html
確認日
2022.09.01

記事一覧

おすすめ記事

メールマガジン登録
メールマガジン登録
ビジネス香川Facebookページ